2022年7月句会報告

YouTube句会


Zoom句会


郵便句会

大谷弘至主宰選

特選
三四日初蚊帳のまだ黴臭き      白石勉
張る手綱緩める手綱鵜匠の目     白石勉
緑蔭や心の声と木のこゑと      加藤久子
白シャツや癌潜むてふ君の胸     上俊一
大きな字だけはまだ読め梅雨の夜を  梶原一美

入選みじか夜の時計見直しまた眠る  梶原一美
軋ませてこの籐椅子も三代目     水谷比嵯代
傾がせて土星のやうに夏帽子     上俊一
信号の向かうに古書肆油照り     小島楓
佇むはいつもこの田の夕焼どき    水谷比嵯代
汗ぬぐひつつ縄文の村を掘る     鈴木千恵子
ぽつくり寺千年杉と鹿の子と     北野沙羅
太陽に耐へし日傘の熱さかな     関君子
ぽつくり寺へ花合歓の九十九折    北野沙羅
夢殿のしづけさに蓮ひらきゆく    小島楓
(氷室茉胡記)                 


7月、東京・神奈川吟行句会報告(9日、港の見える丘公園、9名)

句会場の神奈川近代文学館では、特別展『生誕 100年、ドナルド・キーン展―日本文化へのひとすじの道』を開催中でした。

パラソルをぱつと広げて開店す     大平佳余子
万緑やドナルド・キーンの志       大場梅子
百年の滴りここにキーン展        神谷宣行
向日葵の万の瞳が海を向く        金澤道子
溽暑かな取りつく先を探す蔓       葛西美津子
万緑や日本人より日本人         那珂侑子
墓標みな海に向かひぬ雲の峰      萬燈ゆき
片蔭は薔薇のかをりやフェリス坂    菅谷和子
膝に置く荷物の底の暑さかな       原 京子

席題   (鯰・裸) 3句投句、 3句選

髭たれてまだまだ眠き鯰かな       菅谷和子
布一枚さらりと巻きし裸かな        萬燈ゆき
その御仁なまづのごとくしたり顔     葛西美津子
あやしげな男の飼ひし鯰かな       大平佳余子
きりきりと縄美しき裸鉾           金澤道子
次の世を狙ふ鯰が池底に         神谷宣行
ぬるぬると言ひ訳をする鯰かな      原 京子
蒲焼にすれば鯰も鰻かな          那珂侑子
某の鯰のやうな髭ぬつと          大場梅子
(大場梅子記)


埼玉句会(24日、埼玉会館、5名)

お仕着せの愛国心や蝉の殻    市人
この国の民の愚かさ毛虫焼く
縁台や月下美人のはなしなど   靖彦
優勝へあと一球の猛暑かな
すててこや土地成金の三代目   つねお
番犬の上目づかひの猛暑かな
朝生れし雲の子やがて雲の峰   すみえ
影ひとつ無き道となり河童の忌
毛虫焼く姿見られて恋終はる   ゆき
毛虫焼き堕ちたる無間地獄かな

(萬燈ゆき記)


鎌倉吟行句会(3日、大路ビル・カルチャースペース鎌倉。7人。)

例年になく早く梅雨が明け、この日も酷暑。長く歩くのは危険なので、鎌倉駅から比較的近い妙本寺へ。

第一句座:吟行句・雑詠句
また墓に舞ひ戻りきし黒揚羽    美津子
留守たのむ夫に買ひ置く心太    侑子 
ひと鉢を浄土となせり白はちす   道子
見上ぐればなほその上の夏木立   桃瑪
凌霄は遠つ世恋ふか咲きのぼる   和華子 
父の日や星を取るよと肩車     恵美子
尽れつつ紫陽花いよよ広ごりぬ   はるみ

第二句座:席題「かき氷」「祭」
欠き氷食うて句会へいざ特選    桃瑪
句会まですこし間のありかき氷   道子
ブランドのかき氷とやいざ食はん  侑子
ひたむきもやがて無となり夏祭   和華子
チーズまでかけてしまひぬ氷水   美津子
二人芝居まるで真空祭かな     恵美子 
祭客一升下げて着きにけり     はるみ

(長井はるみ記)


愛知吟行(8日 名古屋市鶴舞公園)

前回4月は、春の景であったが、今回は夏の景の中を吟行した。薔薇、柳等も美しかったが、特に蓮の花が見事であった。莟、盛りの花、散った後と蓮の形態を十分堪能できた。
  
青桐の大緑陰やマスク取る     恵美子
足音にゆるりと逃げる蜥蜴かな   春日美智子 
ばら園を来る自転車の漢かな    楓
炎天や声に出して詠む一句かな   尾燈子
うつかりとこの世に咲きし蓮の花  雄二
(稲垣雄二記)


岐阜句会(28日 岐阜市西部福祉会館) 

第1句座 兼題(月見草,蜘蛛、夏服)
夏服を着て怒り肩なる女      春日美智子
あざやかな黄の夏服とすれ違ふ   沙羅
養生に夏服二枚色代へて      上松美智子
月見草磧に響く水の音       恵美子

第2句座 当季雑詠 
夏草を刈れば遠くに動く影     春日美智子
できたての蓮の実にゐる蜻蛉かな  沙羅 
朝夕に摘むが日課のささげかな   上松美智子
藻の花や水さらさらと地蔵川    恵美子
(梅田恵美子記)                     


京都句会

 古志京都句会、7月はいつもの通信句会を実施しました。そして、3年ぶりに祇園会巡行が復活しましたので、祇園会句会もズームではなく、京都で3年ぶりに開催しました。

 祇園会句会の結果は、俳句的生活(長谷川櫂のサイト)に掲載されています。

 8月からは、毎月、通信句会と対面句会の二本立てで行う予定です。対面句会は、第4日曜日午後1時からこどもみらい館で実施予定。

 7月通信句会は夏雲システムを利用して実施。事前に送った初男さんの写真と文章(初男さんが体験された奥の細道を巡る旅のシリーズ第4弾、最上川等等)、そして米花さん作の絵手紙(冷奴・茗荷)からの連想句4句以上を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。13名参加。結果は次のとおりです。

一日をよく働いて冷奴        美那子
多々ありて今冷奴つつき合ふ     嘉子
もてなしは出羽一国ぞ舟遊び     りえこ
帰り来てわが家の水や冷奴      久美
万緑へ船頭の歌最上川        英二
原色の色煌めける夜店かな      豊
万緑の山塊削り大河かな       雄二
一条の滝ふところに月の山      陽子
花茣蓙へはねるしぶきや最上川    初男
朝露をちらし摘みゆく紅の花     幸子
熊笹もたづさへてをり刺身売     米花
星祭り元気な文字は覚えたて     美恵子
白百合や孤独に非ず孤高なり     茉胡

 通信句会、対面句会とも参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。

メルアド:mako10himu6@nifty.com 
(氷室茉胡記)                  


古志祇園会句会


奈良支部(26日 夏雲システムで開催)

5句出句5句選
ばさばさと子は入りゆく草いきれ 美那子
百日紅過ぎし半歳振り返る    まき
もう誰も帰らぬ故郷蝉の穴    雄二
土曜餅一句見舞はん忠雄さん   久美
饒舌な妻でありけり花カンナ   まこ
みづうみに崩るる比良や雲の峰  豊
夏瘦せの一句詠めずに夏が行く  洋子
本殿に入口出口夏つばめ     正子
御影堂お目涼しき和上かな    りえこ

毎月夏雲システムで句会を開催しております。参加してみようかと思われる方は是非喜田りえこまでご連絡くださいませ。携帯電話090-2192-9832 メールアドレス kidarieko@kcn.jp


大阪句会

メール句会
雑詠7句出句5句選
鑑真忌声明みどり震はせて    りえこ
幼子は大地へ一歩白き靴     歌子
万緑の中に一村老家族      百合子
玩具売場ややは裸足で長つ尻   美栄子
かき氷あつという間にいちご水  洋子
涼しさや桶へ敷き詰め柿の鮨   陽子
土用餅指で凹ま土す臍ひとつ   久美
悠然と孔雀は羽抜け鳥となり   美那子
週末を遊びすぎたる胡瓜かな   みつこ
白黒を付けぬ解決心太      茉胡
陶房の深閑とあり合歓の花    豊

席題Zoom句会席題
(鰻・鵜)3句出句、3句選
鰻屋の『う』の字絡まる麻のれん 陽子
淀川に昔ながらの大鰻      歌子
鰻一筋壁のしみさへ美味そうな  美那子
特売は台湾産や大鰻       洋子
殺生の火の粉散らすや鵜の篝   久美
叱るより褒めてなだめし鵜匠かな 豊
鵜飼果て闇にしづもる長良川   百合子
かの宇治は鵜飼のころか月あがる みつこ
深閑と鵜飼の後の籠ひとつ    りえこ
(木下洋子記)


松山句会(15日 メール句会 11名)

兼題:短夜、半夏生、朝焼、青簾、蝉、炎天、金魚 5句出句 5句選
炎天や無声映画のごとき町     夕未子
島ぢゆうの家沖むいて蝉しぐれ   陽市
尾びれまで息をしている金魚かな  真樹子
明けやすき夜こそいのちいとをしく 紫春
蝉時雨わずかな余生精一杯     博山
嬰の手の乳房まさぐる明易し    まさし 
朝焼けの中戻りくる舟に父     崇
短夜や新聞配るバイクの音     和弘 
朝焼けに子犬の歩調たつたつた   真奈美
病む人を楽しませんと金魚飼ふ   薫 
炎天にぐつぐつ煮ゆるドグマかな  まこと 
突然の雨に出会ひし半夏生     夕未子 
年月よ戦争平和蝉しぐれ      陽市 
短夜をかたみに語る二三人     真樹子 
青簾エアコンなき日の懐かしき   博山  
万緑の中を君来るきつと来る    まさし
半夏生ペディキュアの色青を買ふ  真奈美
炎天を宇宙遊泳して帰る      崇 
母去りし部屋に残れる金魚玉    薫 
簾吊る世をうつくしく見るために  まこと
(木下まこと記)


福岡句会(23日 通信句会)

村の子のしぶき大きく泳ぐかな   國光
釣りに飽き子らいっせいに泳ぎだし 修 
夏料理一家の繁栄盛りにけり    龍梅
咲き継ぎて忘れられけり百日紅   充子 
書を曝す心を風のさらさらと    久子
夏の朝通勤快速駅ピアノ      博人 
蝉の殻かぞへて一日始まりぬ    和子 
老人や人を遠くに涼みゐる     真知子
(斉藤真知子記)


長崎句会(22日 メール句会 9名)                         

当季雑詠 5句
梅雨明けや車窓に島影飛ばしゆき   あや   
振り向けば牛の鼻息キャンプ場    順子
松原や泳ぎ泳ぎて握りめし      なおよ
草いきれ空と私と一本道       美智子
籐椅子で銀河の底に沈みけり     睦美
ねじ花の群咲く庭よ古里よ      弘美
真下から花火ずしんと腹の底     玲子
生観戦犇く炎暑やサッカー場     まり子
田の海やぽつんと白き田草とり    瑠衣

題詠2句(夏帽子・祭)より
コロナ去れ稚児の瞳涼し祇園祭    あや
病床を抜けて来いよと祭り笛     順子
砂浜をダッシュしてゆく夏帽子    なおよ
「ただいま」とバッタ飛び出す夏帽子 美智子
戦はぬ大砲放ち独立祭        睦美
夏祭また逢ふ日までその日まで    弘美
絵日記やどこ開いても夏帽子     玲子
祭笛起業祭だよサーカスだよ     まり子
青空の遠くでごろごろ夏帽子     瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(市民会館 4名)

第一句座
風死すや摘みたる野菜浮かせをる   裕子
女の子こんと当てしが西瓜割れ    裕子
青空に烏渦なす西瓜割り       佐介
風死すや散らばりゐたる牛の骨    佐介
失ひし乳房は二つ浜日傘       茉莉子
風死してラジオアンテナ垂直に    茉莉子
この夏のこの一瞬を西瓜割り     榾火
夏果ての風の匂へる楠の下      榾火

第二句座(席題 クーラー)
クーラーや紫キャベツみじん切り   茉莉子
冷房やテレビ画面に瓦礫都市     佐介
冷房の唸るしづけさ方丈記      榾火
(記 今村榾火)

                 



  
 
         

 

Be First to Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。