2022年3月句会報告

第25回 YouTube句会(26日、46名)

大谷主宰選
【特選】
消えかけてこれは父の字苗の札  矢野京子
開拓の塗炭なめ来し橇しまふ   園田靖彦
空気揺れ地震かと思ふ桜かな   神谷宣行
おたまじやくし暴れてジャズとなりにけり 菅谷和子
神鷄をよけて厠へ伊勢詣     田村史生
馬鹿貝と名付けて美味し酢味噌和 澤田美那子
花や花老樹がよろし色も香も   澤田美那子
花一枝めをと鴉の巣のはじめ   服部尚子
夢の字に草のかんむり青き踏む  仲田寛子
北窓を開くがごとき許しかな   矢野京子
反りあはぬ一匹押さへ目刺焼く  矢野京子
これよりの友と成る木を植木市  喜田りえこ
【入選】
閉校や金時山に烏の子      臼杵政治
野茨の芽吹きてすでにとげとげし 大平佳余子
棒鱈を叩く石あり厨口      服部尚子
朧夜のコンビニの角より戦車   稲垣雄二
国境へ妻子を送り寒昴      岡村美沙子
為政者よ民の声聴け頭巾脱げ   長野いづみ
馬の子やにはたづみ程の尿をして 喜田りえこ
戦争や死は悉く春待たず     上村幸三
寄居虫や爪ほどの貝引き摺つて  イーブン美奈子
息のなき赤子包むや春ショール  齋藤嘉子
子がしやがみ母しやがみかたくりの花 金澤道子
斃れれば陽炎となる命かな    丹野麻衣子
水っ洟はらって友の墓を掘る   岡村美沙子
牧開き隠岐断崖の馬恋し     西川遊歩
泥になほ暴るる鮒ぞ乗つ込んで  イーブン美奈子
接木せん平らかな世を願ひつつ  石塚直子
(丹野麻衣子記)


古志Zoom句会


郵便句会 

大谷弘至主宰選

特選
天広く地広く春ぞ老ゆる身も     加藤久子
芽吹きけり新補聴器のくれし音    西川東久
野遊びやそろそろ母も来る頃か    小島楓
ひた祈る空襲の夜の父の無事     伊達公子 
北前の船で来してふ京雛       関君子 
誉められてうぐひす餅を一口で    神谷和子

入選
つくし摘む這ひつくばりて穴場かな  山下充子 
春風やボートの君と目があひぬ    小島楓 
啓蟄の穴や宇宙へ続くらん      加藤久子
新緑や山になじみて磨崖仏      山下充子 
はくれんや棹にまぶしく柔道着    白石勉 
つばくらめ行つたり来たり巣はどこに 森康子 
春の木々伐りて雀の群見えず     土筆のぶ子 
二日灸秩父の山に雪残り       上條多恵 
兄逝きし梅満開の夜なりけり     梶原夕未子
世の寒さ広がる大地鳥帰る      神谷和子 
戦争も紛争もいや草を摘む      小島楓  
利休忌の設えしつつ逝きし師よ    北野沙羅 
病棟の窓は開かずよ鳥雲に      水谷比嵯代 
登校せず椿の道を海辺まで      伊達公子
老杉の花のけむらし峡に満つ     神永秀郎
繕ひの常なるむかし針供養      関君子 
戦はもうたくさんぞ鳥帰る      春日美智子
花粉只中初蝶のあらあらし      春日美智子
狐川面差し若き龍太の忌       水谷比嵯代
(斉藤真知子記)    


東京Web吟行句会(20-22日、夏雲システム、24名)

吟行地:自然教育園(および目黒不動尊)
兼題:風光る、若鮎、クレソン

一艇身追ふや離すや風光る    神谷宣行
残生の辛味はクレソンほどでよく 関根千方
ふりむいて母たしかむる一年生  石塚純子
大仏の遠眼差しや風光る     上村幸三
飛べまいぞこの鶯は餡重し    服部尚子
そのときは菫となりてきみのまへ 長井亜紀
風光る龍の口より水受けて    神戸秀子
春泥や戦車の轍幾重にも     わたなべかよ
鮎の子や光となつて堰越えよ   大場梅子
クレソンの茎あをあをとひげ根ふく 大平佳余子
惜しみなく神酒ふりそそぎ橇しまふ 園田靖彦
人の世の風は光らず戦の火    吉田順子
汁椀に香る至福や蕗の薹     岩﨑ひとみ
風光るハシブトガラスの男ぶり  那珂侑子
亀も鳴き我も泣きたきこの世かな 菅谷和子
若鮎や未来予想図未完成     石川桃瑪
海を見る龍馬の像や風光る    片山ひろし
若鮎の光放てば川鵜鳴く     長野いづみ
若鮎や落つる水玉反射光     松岡伴子
クレソンの滴るままに白磁皿   越智淳子
家持の詠みし堅香子春の使者   持田明子
おや春風左へ右へ不動の眼    原京子
どの川へ上る若鮎水の香よ    鈴木伊豆山

*新規参加者を募集しています。ご希望の方は関根千方までご連絡ください。
(関根千方記)


埼玉句会(27日、埼玉会館、4名)

砲弾とフェイク飛び交ふ涅槃かな  市人
東風吹けよ祖国を追はれゆく人に
北窓を開き肝胆の友となり     靖彦
プーチンの敗北宣言風光る
北窓を開き脳みそ入れ替へる    つねお
Tシャツの大統領や風光る
北窓をあけてワクチン打ちにゆく  ゆき
プーチンに亀鳴く声を聞かせたし
(萬燈ゆき記)


鎌倉吟行句会(6日、大路ビル・カルチャースペース鎌倉、7名)

今年初めての吟行句会でした。天気は上々。藤英樹さん、初参加。

吟行地:瑞泉寺

・第一句座:吟行句・雑詠句
鎌倉の椿落ちけり汀子逝く   英樹
海底のやうな梅林息を吸ふ   良子
佐保姫の息つややかや段葛   美津子
三椏やどの道行けど花の咲く  和華子
水仙の名残りとなりて括られて 侑子
沈丁の香に沈丁の花さがす   道子
吊革の揃つて揺るる日永かな  はるみ

・第二句座:席題「飯蛸」「蝮蛇草」「城」
はち切れんばかり飯蛸煮上がりぬ 美津子
飯蛸をもつちりと煮て待つてゐる 道子
蝮草きりりと立ちていい男    侑子
弁慶の脛をちくりと蝮蛇草    英樹
早咲きの玉縄城の桜かな     良子
城門に消ゆるスプリングコートかな はるみ
捕はれてなほも饒舌飯蛸よ    和華子

・第三句座:「藤」の文字をいれて、短冊回し
天涯も揺れてゐますか藤の棚  和華子
藤娘復習ふ板の間春の宵    美津子
藤の房だらしなきまで垂れにけり 英樹
尼寺の白藤咲いてゐる頃か   道子
残されし妻が守るや藤の棚   侑子
吹く風の彩られたり藤の花   良子
お披露目の襲は藤と申すべく  はるみ
(長井はるみ記)


岐阜句会(24日  岐阜市西部福祉会館 5名)

第1句座 兼題(大岡忌 桜 春分の日)
大岡忌訃報を聞きし吉野かな     上松美智子
春分の日やゆつくりと夕げかな    通江
ひそやかな花の声きく大岡忌     沙羅
朝刊の折々のうた信の忌       春日美智子 
ほとばしる三島湧水大岡忌      恵美子

第2句座 当季雑詠
今あらば父百五才彼岸かな      上松美智子
菜の花を食べれば春の日の香     通江
花辛夷子どもの声のひびくかな    沙羅
春祝ふ鳥の形の青きパン       春日美智子 
切り口に漲る香り黄水仙       恵美子
(梅田恵美子記) 


京都句会

古志京都句会、3月は通信句会と対面句会を実施しました。今後も、毎月、通信句会と対面句会の二本立てで行う予定です。対面句会は、第4日曜日午後1時からこどもみらい館で実施予定。

3月通信句会は、夏雲システムを利用して実施。事前に送った初男さんの写真と文章(初男さんの日常生活)そして米花さん作の絵手紙(「啓蟄」)からの連想句4句以上を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。15名参加。結果は次のとおりです。

播州の雲の果まで畑返す        陽子
一木が大銀河なり梅の花        雄二
野焼きして遠くにけぶる淡路島     忠雄
一本の長き畝より千の春        美恵子
啓蟄や光あふるる墨の色        美那子
啓蟄や夫より大き子らの靴       久美
啓蟄やづしんづしんと陽の出づる    りえこ
千二百年こもりにこもる修二会僧    初男
初男さん馬鈴薯植ゑてゐるころか    (木下)洋子
晩酌は写生のあとの蕪蒸し       幸子
さらさらと水菜は水の揺るるごと    まき
鶴帰る帽子大きく振つてやる      嘉子
蜆掻き仰向きざまの比叡山       英二
残る鴨残らぬ鴨と引き裂かれ      米花
反戦の声を挙げよと黄水仙       茉胡

3月対面句会は、27日(日)こどもみらい館で実施。第1句座当季雑詠5句出句5句選句(うち1句特選)。第2句座席題(「春の虹」「遠足」「菜種梅雨」「独活」「うららか」「線」)6句出句6句選句(うち1句特選)。6名参加。

たよられてつかまるる手のあたたかし  (藤井)洋子
大原の朝市さかん春の虹        幸子
猫恋や恋は盲目我もまた        一爽
地震のあと寒さのあとの桜かな     みつこ
春の夜の君と僕とは平行線       りえこ
つくづくと一人の夜や独活食うて    茉胡

通信句会、対面句会とも参加希望の方は、いずれも氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。メルアド:mako10himu6@nifty.com  
(氷室茉胡記)                  


奈良句会(22日 ズーム句会 11名)

春の土に一鍬入れず逝かれしか    雄二
義仲寺の魚板叩かん丈草忌      美那子
頑なな枝に木瓜咲くまろやかに    まき
白木蓮祈るごとくに開きけり     豊
踏青に地中の息吹応へけり      茉胡
中空にとんび泳ぐか春一番      正子
身ひとつに花ひとつ欲し西行忌    久美
国境を越へる人へと春灯し      りえこ
戦争の歴史ひもとく春燈下      洋子
美吉野の庵はるかや西行忌      悦子
つばき杖さくらの杖や西行忌     忠雄
(上田忠雄記)       


大阪句会 

メール句会  雑詠 7句出句、5句選
淡雪や竹届き来る二月堂       豊
身の内を水めぐりゆく二月かな    久美
落ちてより視界広ごる椿かな     茉胡
柏手の響き吉なり大試験       りえこ
梅に風手書き合格掲示板       美栄子
鯛よりもいかなご親し明石浜     美那子
雛あられかくも儚き平和かな     洋子
薔薇ジャムはウクライナ産春寒し   歌子
戦争の真只中へ涅槃かな       陽子
牡丹は咲きおくれたる涅槃かな    みつこ
別るるの一語で足りぬ遅日かな    みりん
春の雲天守の上に浮かびおり     泰子
麗らかや異郷にひとり老パンダ    百合子

席題Zoom句会報告 (席題 桜漬、日永)3句出句、3句選
今咲いたばかりの色に桜漬      美那子
さくら湯や小さき波音ひびきをり   みりん
桜漬なべて小さき器かな       みつこ
縁側で絵本読みやる日永かな     洋子
永き日の窓辺の猫の毛繕ひ      歌子
永き日や三時の鐘を中空に      陽子
泥つけて亀休みゐる日永かな     豊
シャンパンの泡きらきらと夕永し   りえこ
箱庭のひとり日永を弄ぶ       百合子
(木下洋子記)


松山句会(12日 メール句会 12名)

兼題:涅槃会、海市、蛙の目借時、豆の花、桜鯛 5句出句 5句選
切り身にも命あふるる桜鯛      和弘
戦絶えぬ星に涙目桜鯛        伊都夫
海市消ゆ電話は未だ話し中      まさし
網破らむほどに撥ねたる桜鯛     紫春
桜鯛舟の名をもて糶られけり     崇
タブレット膝より滑る目借時     薫
縁に座す日向蛙の目借時       夕未子
金色の山のやうなる涅槃仏      和弘
蜃気楼また会えるかも知れぬ人    伊都夫 
おろしあもこの海伝ひ蜃気楼     真樹子
蜃気楼秘かに待ちぬ氷見の海     一美
しんかんと宇宙の闇に涅槃かな    まこと
乗る電車刻変わらねど日脚伸ぶ    崇 
桜鯛糶おとされて湧く拍手      一美
不覚にも駅を乗り越す目借時     薫
遥か聞く牧神の午後目借時      博山 
花どきの志功の涅槃ふくよかに    真樹子
潮走る鞆よ明石よ桜鯛        まこと
(木下まこと記)                 


福岡句会(26日 通信句会)

啓蟄の体なんだかむず痒し      修 
丸めたるあんこに大小春愁ひ     緑 
老いていま先は楽しき朧かな     充子
つちふるや長浜ラーメン店に列    國光 
花人となりてほどけし心かな     和子 
朝桜人が人として住める国      桃潤
川風の桜吹雪となりにけり      幸子 
蝶々や朗読会に紛れ込む       龍梅 
初花や救いの神を待つ地球      久子
乳母車も肩車もけふ花の山       祥子
とほき世の仏いませり花の寺     民也
潮干狩り隣のバケツ覗きけり     真知子
(斉藤真知子記)


長崎句会(25日 まり庵 8名)うち1名はメールによる参加                  

当季雑詠 5句
冴返る瓦礫の街のピアニスト     あや
炊き込みを銀飯に変へ目刺かな    順子
初めての投票済ませ卒業す      なおよ
春の宵ひよいと口笛二重奏      美智子
山焼きや風に吹かれて火の粉の子   弘美
顔を出す鯉も欠伸や春の池      玲子
裏庭の鶯若し猛練習         まり子
黒髪をかきむしるかに磯菜摘     瑠衣

題詠2句(目刺・風船)より
紙風船ラリーにアラヨッと車椅子   あや
風船をねだられ要らぬ菓子も買ひ   順子
群れ泳ぐ記憶をとどむ目刺かな    なおよ
母の手の打つ音優し紙風船      美智子
柳の芽月に聞きたる戦乱の地     弘美
目刺の目ものは言へねど海のうた   玲子
紙風船ひいふうみいよ母と突き    まり子
子に腸を掻き出してやる目刺かな   瑠衣
(米山瑠衣記)                 


熊本句会(通信句会 4名)

土筆折る息を忘れてまた一本     裕子
永き日の駄菓子屋へ犬ついてくる   裕子
蟇出でて愚の一文字となりにけり   佐介
土筆摘む摘みつつ遠くなる世間    佐介
蟇穴を出づ銃声の空の下       茉莉子
山盛りの千切りキャベツ大試験    茉莉子
二人連れ春のベンチがよく似合ふ   榾火
つちふるや戦さの音も混じりをり   榾火
(記今村榾火)

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