2021年12月句会報告 

第22回YouTube句会(25日 51名)

大谷主宰選

【特選】 
樅の木を積んで渋滞日短か     長井はるみ
数へても狐火のかず定まらず    上村幸三
しんしんと岩魚は雪に眠りけり   長野いづみ
伊邪那美の末の子にして鯨かな   喜田りえこ
捨てにゆく薬缶に冬の空の青    久嶋良子
はらからの足の混みあふ喪の炬燵  曽根崇
勇魚宿銛を飾るも年用意      三角逸郎
無住寺や誰彼がきて隙間貼る    澤田美那子
セーターを編んで何度も鏡かな   米山瑠衣

【入選】
よく見れば我こそおかめ福笑ひ   大場梅子
兄傘寿やめぬ運転葱もて来     吉田順子
枯木立今朝もこの世を散歩する   西野悠司
武蔵屋さん今年も元気初暦     イーブン美奈子
八十の我が身の内の煤払      金澤道子
待ちかねし一陽来復四股を踏む   喜田りえこ
もがり笛さとと一茶の叫ぶ声    片山ひろし
年用意紙垂切る亡父の肥後守    石川桃瑪
梁は汝が花道よ嫁が君       神戸秀子
湯たんぽの水捨つるべし恋もまた  稲垣雄二
しまひ湯の一番かほる柚子湯かな  大平佳余子
初鏡背筋はしやんと伸びてゐるか  澤田美那子
ポキポキと折つてみたきや枯蓮   前崎都
火口湖に空を映して山眠る     三角逸郎
笹鳴きや深き眠りの百花園     菅谷和子
素の吾に返る役者よ柚子風呂よ   鈴木伊豆山
片割れはいづこや鴛鴦の一羽浮く  岡村美沙子
締めたての帯をひと打ち淑気満つ  神戸秀子
あれはいつ全校あげて兎狩     前崎都
病む君へ祈願重ねて紙を漉く    西貝幸子
来年の一字は「健」に煤払     田村史生
呼ばずとも子らが駆け寄る焚火かな 西貝幸子
マスクの子母のマスクをはがさんと 神谷宣行
さまざまの年の暮あり吾は句座に  澤田美那子
(記:丹野麻衣子)


古志ZOOM句会


郵便句会  

大谷弘至主宰選

特選
霜夜にて動かぬ闇を街とよぶ    森康子
筆運ぶあの名この名やお年玉    梅本元子
白息を吐くたび薔薇の棘増すか   小島楓
雀どち戻りてをりぬ屏風かな    田中尚子
娑婆のこと惚けて忘るな古暦    北林令子
雪女踝しろく去りゆけり      関きみ子
入選
ことしまた色鳥訪ひ来爺婆に     関きみ子
ことしはや床に侘助無事の軸    北野沙羅
葉牡丹の紫が良し明日は晴     梶原夕未子
存分に落葉を浴びて帰りきし    上條多恵
坊守りの姉さん被り朝焚火     北林令子
流星群待つお揃ひの綿衣よ     北野沙羅 
父の忌の踏めば崩るる霜柱     伊達公子 
マスクまた忘れ玄関引き返す    梶原一美
冬木の桜仰ぎ白髪三千丈      神永秀郎
人恋の心はありや老の春      梅本元子 
世の汚れ啄んでゐる寒鴉      春日美智子
波は黄金雲は白金宝船       白石勉 
(斉藤真知子記)         


埼玉句会(26日、埼玉会館、4名)

着ぶくれて悪人づらも老いにけり 琅太
俗にゐて俗の染まらず着ぶくれて
幾万の言葉の海へ初明り     靖彦
人の世の試練いくたび日向ぼこ
香ばしき身とぞなりけり日向ぼこ つねお
寒波来ぬ日本列島武者振
いつよりの後進国ぞ虎落笛    ゆき
軒下に鳥籠吊るし日向ぼこ
(萬燈ゆき記)


東京ウェブ吟行句会(19~21日、27名、夏雲システム)

吟行地:谷中銀座・千駄木・根津神社
兼題:煤払、狐火、白菜

眼の奥に狐火燃えてゐる女    萬燈ゆき
売れてゆく海鼠見てゐる海鼠かな 関根千方
年用意湯気立つものはみな旨し  神谷宣行
根津やいま百のつつじの返り咲き 神戸秀子
押し詰まりまして師走もわが生も 石塚純子
山積みの布のマスクや煤払ふ   大場梅子
あをあをとゆれて笹竹煤払    仲田寛子
冬籠へうたん型の蔵書印     石川桃瑪
カレーライス出来て明日は煤払  那珂侑子
福の神そつときてをり歳の市   上村幸三
白菜は漬かりぬ人を羨やまず   岩﨑ひとみ
狐火となりてこられよ寂庵に   持田明子
一日が重なるやうに千枚漬    長井亜紀
ちやんこ番まづは白菜ざく切りす 園田靖彦
愚を重ぬおのが心に目貼りせん  長野いづみ
飼猫に野良に谷中の冬日向    金澤道子
狐火のちらり千本鳥居から    大平佳余子
炉明りや友の死をまだ諾へず   わたなべかよ
白菜を雪の五尺の室に掘る    鈴木伊豆山
母亡くて乾ぶ白菜漬の樽     葛西美津子
煤逃げて歌舞伎見てゐる立見席  片山ひろし
白菜や地球の水の重さ満つ    服部尚子
青春の彷徨ふ谷根千年の空    越智淳子
我が肺に積もりし煤も払はんや  原京子
白菜を積んで厨をあかるうす   菅谷和子
狐火や御岩稲荷の百度石     松岡伴子
老が身の目覚めは嬉しけさの冬  吉田順子
(関根千方記)


鎌倉吟行句会(5日、カルチャースペース鎌倉、7名)

吟行地:鎌倉宮

第一句座:吟行句・雑詠句
岩噛んで竹あをあをと氷りけり  美津子
青空を引つ張つてゐる裸木よ   和華子
去る人と句会楽しむ年惜しむ   侑子
土牢を覗く女の着ぶくれて    道子
時をりはばさと鳥来る冬木かな  はるみ
晴れやかに枯れ振昌と名乗られし 良子
土牢を覗きて寒さつのりけり   振昌
第二句座:席題「蜜柑」「冬銀河」「別」
巻き直すマフラーしかと別れかな 和華子
きつとまた会へる別れや冬銀河  侑子
日も月もみかん畑のなかにあり  振昌
詳しくは別紙参照忘年会     道子
ハンドベル振れば親しき冬銀河  良子
仲直りはみかん一つのよろしさよ 美津子
この餅に選りて座らす大蜜柑   はるみ
(長井はるみ記)


愛知吟行句会(9日、名古屋市鶴舞公園)

 JR東海中央本線「鶴舞駅」の改札口に集合し、昨日までの荒天が嘘のような冬麗の青空の下、公園内の冬の薔薇園を吟行し、蓮池へ向かった。しかし、風雅の心のない方々によって一本残らず刈り取られていた。それにもめげず、無料休憩所で、昼食を取り句会。

病院の窓をのぞくや冬木の芽    春日美智子
ポーズとる花嫁御寮冬紅葉     沙羅
冬青空園児のうたふK・POP    楓
病棟より見下ろす冬の薔薇の園   尾燈子 
顔見世の顔のひとつの消えにけり  正博
冬ぬくしゆつくり歩く薔薇の園   通江
蜂の来る見ごろを過ぎし冬の薔薇  雄二
(稲垣雄二記)


岐阜句会(16日 岐阜市西部福祉会館  5名)

 第1句座  兼題(川涸れる マフラー 熱燗)
水たたく鷺点点と川涸れる      春日美智子
水涸れて鴨来ぬ池をながめけり    通江
木曽川や砂州白々と水涸るる     沙羅
マチュピチュの赤華やかなマフラーす 上松美智子
熱燗や夫と猫とを眠らせて      恵美子 

 第2句座当季雑詠
マスクして子らのくせあり頼もしや  春日美智子
初日出て今年も世界てらしゆく    通江
金糸魚のうろこ散らばる花のごと   沙羅
逝きし人讃えるごとし枇杷の花    上松美智子
 年用意畑より青菜ひとかかへ     恵美子
(梅田恵美子記)


京都句会

 夏雲システムを利用して実施。事前に送った初男さんの写真と文章(春日若宮御祭)そして米花さん作の絵手紙(「仕事始」)からの連想句4句以上を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。14名参加。

奈良墨の海あをあをとおん祭     陽子
魂をぶら下げてゐる枯蓮       雄二
若宮といふも千年おん祭       初男
千枚漬カードのごとく樽の中     美那子
おんおんと春日若宮おん祭      みりん
粕汁にぬくもりて足る山家かな    久美
奥山のむささび侍るおん祭      りえこ
振り向けば三笠山見ゆ御祭      英二
浄闇を若宮さまの神遊び       幸子
おん祭り太古の闇を歩みけり     洋子
春日社の鹿と遊びて春を待つ     一爽
女子大生と暗夜行路と冬木の芽    美恵子
湯豆腐や五右衛門は熱かつたらう   米花
冬日濃し直哉旧居の文机に      茉胡

 なお、古志京都句会、2022年からは、上記の通信句会に加え、対面(リアル)句会を再開し、毎月通信句会とリアル句会の二本立ての予定です。いずれの句会についても、参加を検討したいという方は、以下の茉胡のメルアドに、メールを送信して下さい。詳しい案内を送ります。mako10himu6@nifty.com 
(氷室茉胡記)


奈良句会(21日 ズーム句会 10名)

こんな夜でありしと榾を一つ足す   久美
漂うて互ひに触れず浮寝鳥      茉胡
一碗の雪に注げよ大吟醸       雄二
一年の怒りと悔ひも煤払ふ      りえこ
早々と冬至の風呂をたてにけり    美那子
長風呂を楽しんでゐる冬至かな    洋子
皸やむつき干す母若かりし      正子
百人の一斉に動き煤払        豊
千の手のひとつひとつの煤払ひ    悦子
箒星いでて地球の煤払        忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会

メール句会
雑詠7句出句、5句選
ペダル漕ぐ銀杏黄葉の果て目指し   泰子
落葉踏む若きは若き音立てて     茉胡
鬼の子の枝ごと枯れてゐたりけり   久美
猪臭や一川の波ざはめける      美栄子
木守柿死なない気する和尚かな    洋子
切干や皺に旨味のありにけり     美那子
金閣のいや煌めけり神の留守     陽子
先の世は人間ならん雪蛍       豊
山眠りけり杉の余命もほつほつと   みりん
絵屏風の後ろの闇を見るなかれ    みつこ
冬紅葉京は京都に戻りけり      一爽
うんぱつぱわが寒紅の速攻ぞ     りえこ
大楠に六百余度目の冬来る      歌子

席題Zoom句会
席題(霜・ラグビー)3句出句3句選
吉右衛門の弁慶みたき霜夜かな    洋子
霜柱かつて軍靴の踏みし道      りえこ
霜柱こはごは踏む子踏み行く子    茉胡
星々は瞬きもせず霜の声       歌子
小さき苗に霜除けの藁重ね      豊
霜よけの藁整然と武家屋敷      美那子
霜の夜や白き世界の立ち上がる    百合子
初霜や北山に日の射しはじむ     久美
ラグビーやその一勝に国掛けて    みつこ
ラグビーや背ナの夕映隆々と     陽子
(木下洋子記) 


松山句会(25日 メール句会 9名)

兼題:マスク、炬燵、年の暮、綿虫、葉牡丹 5句出句 5句選
年の瀬に立つスクランブル交差点   陽市
この家の神も眠りし炬燵かな     真樹子
カラフルなマスクがはねる保育園   薫
海鳴りを背負ふて旅の炬燵かな    まこと
マスクして知る人らしき笑みかへす  崇
颯爽とマスクに慣れし今をゆく    夕未子
はらからの声なく集ふ喪の炬燵    崇
年の暮れつづけて届く句集かな    一美
葉牡丹にめざす大空ありにけり    真樹子
明眸のマスクの人となりにけり    まさし
やわらかに宇宙がひらく葉牡丹よ   陽市
純白の毅然と鎧マスクかな      紫春
かつて夜家族集まる炬燵の間     夕未子
マスクまた忘れ玄関引き返す     一美
このごろはマスク麗し美男美女    紫春
なにもかも置いてうたた寝炬燵かな  薫
綿虫に夕暮れついて来たりけり    まこと
(木下まこと記)                                     


福岡句会(25日 あいれふ 9名)

第一句座 
猫舌の夫に加減の根深汁       祥子
口達者まだ生きてゐるちやんちやんこ 和子
一本の枯木のところまで歩く     真知子
元旦号もはや去年のことばかり    民也
冬ざれて玄界灘が本気出す      博人
冬海や繋がる世界疫に病む      久子
一本と海鼠買ひたる男かな      國光
生きるとは時を織りなす冬銀河    龍梅
煮凝を突き破りたる骨一本      緑

第二句座 席題「雪一切、短日」
日短露店そろそろ値引して      祥子
どうしても一度逢ひたき雪女     和子
学校に連れてゆくなり雪うさぎ    真知子
午過ぎて寝巻のままや日短か     國光
糖衣錠甘さ残りて雪催        民也
友来たり雪を肴に吞み明かす     博人
三人の童子率ゐる雪婆        龍梅
大雪や向上心とてほど良きに     久子
短日を引きのばしたるホームラン   緑
(吉冨緑記)


長崎句会(24日 メール句会 9名)

当季雑詠 5句
開戦日相まみえたる祈りかな     あや
年賀状終はりにするとまた一通    順子
己が身を干しつつずらり大根干す   なおよ
新しき箸を揃へて節の膳       美智子
色づかぬポインセチアを愛でてをり  睦美
空っ風公園の子等飛んで来よ     弘美
柚子風呂やぬくもり残る蓋に猫    玲子
冬麗や富士マラソンを駆け抜けて   まり子
風折れの枝も鳴らすや虎落笛     瑠衣

題詠2句 「鐘氷る・晦日蕎麦」
うたた寝の子を起こしてや晦日蕎麦  あや
百八つでは足りはせぬぞと大晦日   順子
よくぞまあ図太く生きて晦日蕎麦   なおよ
鐘氷る弁当箱を抱きしめて      美智子
薄ぺらの蒲鉾一枚晦日蕎麦      睦美
今生の晦日蕎麦なり銘店へ      弘美
長崎の港に街に凍る鐘        玲子
帰省せし夫を迎へて晦日蕎麦     まり子
晦日蕎麦不揃ひなれど我が手打ち   瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(通信句会 4名)

冬至粥昨日仕事を辞めてきた     茉莉子
城壁で眠る鴉や冬ぬくし       茉莉子
坊守と二人で眺む冬木の芽      裕子
平凡といふが幸せブロッコリー    裕子
北風を率い長距離ランナー来     佐介
北風や愛車ハーレーダビッドソン   佐介
赤牛の引かれ消えゆく枯野かな    榾火
北風に麦酒工場屋根赤し       榾火
(記今村榾火)

                 

                    

 

   

 

 

 

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