長谷川前主宰の総評を掲載させていただきます。
焼牡蠣に絞る酢橘の金飛沫 草場弘
「金」と「焼」の2字、生きている。
一匹に一本の腸海鼠漁り 米山瑠衣
最後は「海鼠かな」がいい。
冬蜂の糸かと見れば長き脚 関根千方
「冬蜂や」と切るほうがよい。
枯野ゆく道おのづからあらはれる 山内あかり
「あらはるる」。「枯野ゆけば」とするほうがはっきりする。
澄みわたる空の果より冬は来ぬ イーブン美奈子
「冬来たる」。「冬は来ぬ」はつっかかる。
以下、特入選句です(先生の直しを反映しています)。
<特選>
枯野ゆけば道おのづからあらはるる 山内あかり
焼牡蠣に絞る酢橘の金飛沫 草場弘
<入選>
一匹に一本の腸海鼠かな 米山瑠衣
冬蜂や糸かと見れば長き脚 関根千方
又一つ咲きかけてゐる返り花 米山瑠衣
悴んで小さくなりし海鼠かな 丸山正樹
止められてお猪口三杯海鼠かな 大倉白石
澄みわたる空の果より冬来たる イーブン美奈子
知らぬ間に猫のきてゐる炬燵かな 岡崎陽市
石段を両手曳かれて七五三 大倉白石
なお、古志ネット句会は来月の12月をもちまして、休止いたします。
一年間ありがとうございました。
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