11月、古志ネット句会のご報告

長谷川前主宰の総評を掲載させていただきます。
 

 焼牡蠣に絞る酢橘の金飛沫    草場弘

「金」と「焼」の2字、生きている。
 

 一匹に一本の腸海鼠漁り      米山瑠衣

最後は「海鼠かな」がいい。
 

 冬蜂の糸かと見れば長き脚     関根千方

「冬蜂や」と切るほうがよい。
 

 枯野ゆく道おのづからあらはれる  山内あかり

「あらはるる」。「枯野ゆけば」とするほうがはっきりする。
 

 澄みわたる空の果より冬は来ぬ  イーブン美奈子

「冬来たる」。「冬は来ぬ」はつっかかる。
 

以下、特入選句です(先生の直しを反映しています)。
 

<特選>
枯野ゆけば道おのづからあらはるる 山内あかり
焼牡蠣に絞る酢橘の金飛沫     草場弘
 

<入選>
一匹に一本の腸海鼠かな      米山瑠衣
冬蜂や糸かと見れば長き脚     関根千方
又一つ咲きかけてゐる返り花    米山瑠衣
悴んで小さくなりし海鼠かな    丸山正樹
止められてお猪口三杯海鼠かな   大倉白石
澄みわたる空の果より冬来たる   イーブン美奈子
知らぬ間に猫のきてゐる炬燵かな  岡崎陽市
石段を両手曳かれて七五三     大倉白石
 

なお、古志ネット句会は来月の12月をもちまして、休止いたします。
一年間ありがとうございました。

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