2021年5月句会報告

第15回YouTube句会(22日 47名)

大谷主宰選
【特選】 
麦飯やおしんはもつと貧しくて    大平佳余子
大悪人虚子とはなれず冷し酒     臼杵政治
月読のしづく纏ふか額の花      谷村和華子
負ぶふ子も汗だくだくや代掻けば   石塚直子
青大将もろとも下ろす巣箱かな    原京子
夏帽子胸につぶして黙祷す      菅谷和子
【入選】
一日をちりふにあそぶ業平忌     大場梅子
尾はいまだ殻のなかなる守宮の子   神戸秀子
家籠りすこし抜け出すハンモック   高橋真樹子
急ぐ子の白靴まぶし見送れば     越智淳子
飛魚とぶや九十九島をわがものに   大場梅子
富士の風孕みて清し鯉幟       野村桂久
ちよこちよこと足踏みばかり燕の子  谷村和華子
代掻けば子ら次次と飛び込んで    石塚直子
薔薇抱く背中がよろこんでゐるよ   矢野京子
空爆や風船柵を越えてゆく      木下まこと
道草をしたがる馬や蕗のなか     長井はるみ
天満宮抜けて近道ぼたん寺      三輪憲
よく笑ふ子規に着せたき白絣     喜田りえこ
ぷくぷくとはみだす跣足乳母車    大場梅子
涼しくはならぬ地球ぞ人の世ぞ    イーブン美奈子
(丹野麻衣子記)


第2回You tube鍛錬句会(5日 12名)

大谷主宰選

第1句座
【特選】 
なし
【入選】
麦秋や地中に銅鐸鳴りひびく     神戸秀子
母は子の最後の砦麦は穂に      大場梅子
馬欲しと泣いた日もあり合歓の花   服部尚子
風光る父の隣に妣納め        臼杵政治
ペダル漕ぐスニーカーは白柿若葉   服部尚子
図書館の匂ひ故郷の夏木立      臼杵政治

第2句座(題:牛、山、葛桜)
【特選】 
目が合へば返すほほゑみ葛桜     谷村和華子
角突きを忘れし牛や明易し      丹野麻衣子
【入選】
葛桜秘して拝せぬ観世音       菅谷和子
峯雲や山より高きこころざし     神戸秀子
裏富士は龍太の山よ新茶汲む     大場梅子
ため息を映して余呉や明易し     丹野麻衣子

第3句座(題:冷し酒、石、魂)
【特選】 
結石はしづかに育つハンモック    久嶋良子
魂も日に灼けし日や夜光虫      臼杵政治
【入選】
冷し酒天狗出さうな化粧坂      谷村和華子
聖霊の言葉あたたか薔薇の雨     佐々木まき
(丹野麻衣子記)


古志Zoom句会


郵便句会

大谷弘至主宰選  
特選    
背の子にものぞかせしこと花あやめ  西川東久      
暁や白鳥のごとヨット発つ      松岡伴子          
通るたび切つてしまひぬ蜘蛛の糸   森康子         
大干潟深呼吸する砂の穴       梶原夕未子       
新茶汲むしんと夜明けの香りかな   加藤久子     
揺れてをり虞美人草も君の背も    小島楓
 
入選    
菖蒲園ことしは花もままならず    梶原夕未子         
玻璃越しの蜂の唸りに目覚めけり   田中尚子       
とんとんとん汗と涙を受け止めん   松岡伴子         
しんしんと母恋ふごとし遠蛙     春日美智子      
遅咲きのか細き牡丹いつくしむ    神谷和子       
ふんばりて斜に植樹まむし山     原信子    
禅寺や風蘭越しに拝観券       北野沙羅     
麦の秋渦巻く熟れを日にさらし    神永秀郎    
散りいそぐ今年の牡丹緋の牡丹    小島楓        
御手洗にかかれる幣もぬれて梅雨   梶原一美        
一年生若葉の門へ胸を張り      加藤久子       
鉄風鈴南部の風をつれて来よ     神永秀郎     
新茶汲む米寿などとは望外な     西川東久        
嘴に餌や鵙はしげみの巣へいそぐ   関きみ子       
紫雲英摘む親子はるかや吾と吾子   伊達公子    
麦の穂や蕉翁行きしこの道を     北林令子      
「駄目だつた」と就活の娘や疫の春  伊達公子     
しなびたる五体尊し更衣       神永秀郎      
入れ食ひの小鮎釣りみて飽かずなり  水谷比嵯代       
鳥獣の塚のあたりも草むしる     梶原一美                         
 ( 斉藤真知子記)


東京Web吟行句会(16-18日/夏雲システム/26名)

吟行地:港の見える丘公園
兼題:芒種、ヨット、守宮

星涼し長き余生の氷川丸     金澤道子
元町や窓を大きくレース店    神戸秀子
守宮鳴く己が目玉を舐めながら  関根千方
山深きランプの宿に守宮鳴く   片山ひろし
世を遠くこころ養ふ芒種かな   菅谷和子
この丘に幾千の恋ヨット浮く   大平佳余子
声ばかり若き爺婆田植唄     わたなべかよ
酒と薔薇そしてヨットを愛す人  大場梅子
守宮出で捜しものまだ見つからず 上村幸三
選ばれて方舟に乗るあぶら虫   園田靖彦
夜ごと来てヤモリ人間探求す   神谷宣行
かはほりや花の匂ひの夜風過ぐ  葛西美津子
よく水を切つて芒種のたはしかな 仲田寛子
鳴くたびに守宮の喉の濃く淡く  原京子
馬鈴薯の花も遠嶺もむらさきに  服部尚子
ふらんす山いぎりす山や薔薇絢爛 鈴木伊豆山
新緑の押し寄せてくる窓辺かな  那珂侑子
碧天へ斬り込むヨットヨーソロー 長野いづみ
ひるがへり落つる守宮の腹白き  越智淳子
ゆるやかに木陰へもどる揚羽蝶  長井亜紀
二の腕の白さまぶしき実梅もぐ  石塚純子
蛇の衣吹かれ匂ひのなかりけり  吉田順子
暁や白鳥のごとヨット出る    松岡伴子
薫風や乳母車おすパパ若し    三田菊江
ヨットの帆すべりゆく白ゆるめけり 石川桃瑪
(関根千方記)


京都句会

 夏雲システムを利用して実施。事前に送った滋賀県近江八幡水郷の写真数枚からの連想句を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。

葭切のこゑに明けゆく近江かな    久美
水郷は命の器濁り鮒         忠雄
メンタムは万能薬よ夏来たる     美那子
本音吐くごとく咲く花からすうり   美恵子
ヘアドネーションして幼な顔聖五月  英二
  ※ヘアドネーションとは髪の毛31センチ以上を束にして寄付すること
蟇岩の孤独を聞いてをり       雄二
青葦原へゆらり棹さす湖国かな    初男
分け入つて浮巣見にゆく近江かな   幸子
青東風にみづの御霊静まるる     みりん
葭切や花嫁すくと立ちし舟      茉胡
(氷室茉胡記)                    


奈良句会(11日 ズーム句会 12名)

糠床の熟れも上々水茄子       美那子
翠蔭は凪のしづけさ鑑真忌      久美
コロナの世のつましき散歩聖五月   茉胡
いちびりは未だ変はらず柏餅     洋子
やはらかに風のふれ来てさくらんぼ  豊
目も息も青葉に浸る峠越       正子
鮎の宿二代揃つて無口かな      雄二
傘閉じて睡蓮の池巡るなり      まき
鮎食ふて吉野の人となりにけ     りえこ
睡蓮や世界を変へる風を待つ     みりん
川床の流れきよらか鮎料理      悦子
大山河その一滴の鮎を食ふ      忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会

4月下旬にメールで投句、選句しています。(雑詠7句出句、5句選)選句用句稿、選句結果は高角みつこさんが作成してくださっています。
5月1日(土)午後、Zoomを使って、先の選句結果について合評を行い、その後、席題句会(3句出句3句選)を行いました。
コロナ禍でも、メールやZoomを使って、句会に参加される皆さんの協力を得て句会ができることに感謝です。

メール句会
山寺の溺るるごとき若葉かな      豊
若葉風ジグザグデモのありし道     歌子
鳶舞ふや大和一国柿若葉        久美山
桜散る西行の旅衣           百合子
乙訓より初筍の白き肌         美那子
筍のどこまで剥けばよいのやら     茉胡
籠り居の口の驕りや木の芽和      美栄子
点心の湯気もつややか春灯       みつこ
ワッフルにバター蜂みつ花小豆     みりん
春の月仕事帰りのカプチーノ      洋子
行く春をスケッチブックのおおきさに  泰子
行く春や金で継ぎたる欠茶碗      陽子
行春をヘリコプターで追ひかける    りえこ

席題句会  
席題(紫陽花・子どもの日・日傘)
天辺へ藍いくすぢや四葩坂       みりん
鎌倉や紫陽花までの径昏し       りえこ
かたしろぐさ出しそびれたる手紙かな  洋子
碧き海遠くにありて七変化       豊
駄菓子屋に集ひし頃やこどもの日    百合子
特別なことはなくても子供の日     美那子
こどもの日カレーが好きでそれでよし  みつこ
神経衰弱孫に連敗子どもの日      茉胡
ぐりとぐらだるまとてんぐ子供の日   歌子
大輪の花開きたる日傘かな       陽子
草の香の白き日傘をひらきけり     久美
(木下洋子記)


松山句会(8日 メール句会 13名)

5句出句5句選(兼題:蜃気楼、干潟、春日傘、義士祭、残る鴨、花蘇芳) 
残る鴨授業は今日もオンライン    和弘
春日傘静かにたたむ爆心地      伊都夫
大石主税享年十六義士祭       陽市
足跡の果てなく続く潮干潟      真奈美
手の甲にきざす老班義士祭      崇
面白き道を見つけて残り鴨      まさし
大干潟深呼吸する砂の穴       夕未子
見晴らして春の日傘の河原かな    紫春
燈台に向かひし春の日傘かな     薫 
竹落葉石仏のほほ掠めては      一美
神の島つないでゐたる干潟かな    まこと
瀬戸の海裸足で歩く潮干潟      孝子
花蘇芳ボール蹴る子に道を聞く    伊都夫 
山頂の休憩所にも春日傘       和弘  
蜃気楼夢見る頃は過ぎゆきて     真奈美 
尻濡れてよりの大胆潮干狩      崇
春日傘われに翼のありしころ     まさし
帰りくる船いくつもよ蜃気楼     陽市  
声嗄るるほど呼べど届かぬ蜃気楼   紫春
シルクロードに揺らぐまぼろし蜃気楼 夕未子 
さざ波に押され押されて残り鴨    まこと 
(木下まこと記)      


福岡句会(21日 通信句会)

少年や石持てば切る夏の川      國光
どこからかだんだん本気雨蛙     和子
ワクチンと騒ぐ暇なし草を刈る    博人
装ひはうろこ千枚桜鯛        充子
大空に心の軸を据え五月       久子
夏に入る終りの見えぬ物の中     幸子
曾祖父の梅酒の壜を開けられず    桃潤
夏野ゆくひとりとなつてしまひけり  真知子
楠若葉百年先を見届けよ       緑
(吉冨緑記)


長崎句会(29日 メール句会 9名)

当季雑詠 5句
黒酢に炭酸ジュワッと夏が来る    あや
ごゆるりとしわしわの手で新茶かな  順子
枇杷熟るる昔兄弟皆子猿       なおよ
夕焼けや狐狸庵ゐます神ともに    弘美
垣根揃いて真っ直ぐな夏に入る    まり子
薫風や今朝は四コマ漫画から     美智子
生み落とし腹軽々と熱帯魚      睦美
苗選ぶ朝の市場や走り梅雨      玲子
草刈つて雉子の巣あらは二つ三つ   瑠衣
題詠2句(山滴る・薔薇)
薔薇一輪ほどの青春四畳半      あや 
赤青のテントに迫り山滴る      順子
山滴る森の授業の沢のぼり      なおよ
山滴る言の葉なべて真珠なれ     弘美
青き峰確と踏み行く脚たらん     まり子
万物の命育み山滴る         美智子
満開の薔薇の重さの驟雨かな     睦美
赤も黄も雨跡光る今朝の薔薇     玲子
いく鉢も薔薇を挿木に家居かな    瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(通信句会 4名)

紫陽花やカラスもハトも留守らしく   裕子
青田続く先に藺田あり蓮田あり     裕子
梅雨寒や腕の包帯厚く厚く       茉莉子
愛鳥週間緘黙の鴉かな         茉莉子
白玉や女系家族の二女三女       佐介
消息の途絶えしままに青田かな     佐介
白玉を食べて故人の話など       榾火
青田風廻り廊下は水くさき       榾火
(今村榾火記)

                 

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