2021年4月句会報告

第14回Youtube句会(24日、45名)

大谷主宰選
【特選】
金毘羅の護符に守られ鰆舟     片山ひろし
小遣ひで母に新茶を買ひし頃    菅谷和子
身太ればぱちりと割れて浅蜊かな  丹野麻衣子
卯月波ときに江ノ島隠しけり    金澤道子
あかあかと妣の命を継ぐ薔薇よ   吉田順子
蝿の子や国の数だけ民主主義    喜田りえこ
大好きの大を大きくチューリップ   喜田りえこ
我も一本納めてあまた遍路杖    長井いづみ
美しき泥の国から初蛙       イーブン美奈子
【入選】
本音ほど怖きものなし万愚節    三輪憲
気の抜けた声ひとつきり鶯よ    長井いづみ
竹の子やいつかは空を支へんと   米山瑠衣
寄居虫や宿借り替へてまた独り   上俊一
先づ赤き靴を選びて更衣      原京子
筍を喰ひちらかして次の山     米山瑠衣
世の光吸うては吐ひて柿若葉    大平佳余子
蟻出づるしやがんで見入る楸邨さん 西川遊歩
わが詩へ卯波の寄するその日まで  篠原隆子
見つめても見つめ返さずチューリップ  久嶋良子
この下は防空壕やポピー咲く    長野いづみ
豆飯や百までこの世楽しまん    吉田順子
ちよつと砂掘つて蛤もうひとつ   丹野麻衣子
また起きてくる遠足の前夜かな   臼杵政治
逃水のやうによく逃げ生き上手   園田靖彦
青麦を龍が走るよ風吹けば     齋藤嘉子
発心のまだ新しき遍路笠      木下まこと
連れションは何と言っても春の土手 岡村美沙子
海へ急く孵化の仔亀よ鳴く声よ   鈴木伊豆山
鹿の子や立ちて眩しき中にをり   谷村和華子
(丹野麻衣子 記)


第14回席題句会(15日、15名)

大谷主宰選
第1句座(席題:蛙、茶摘、御忌)
【特選】
寄つて来る猫にも弁当始かな    丹野麻衣子
御忌まゐり形見の数珠はふた重かな 米山瑠衣
茶摘み唄向かうの山も唄ふかな   菅谷和子
ありがたや結び目固き一番茶    長野いづみ
幼子は筵の上で茶摘唄       齋藤嘉子

【入選】
おんおんとこの世鎮めよ御忌の鐘  大場梅子
雲南のあの娘が摘みし新茶かな   菅谷和子
まだ慣れぬ腰をかばひつ茶摘みかな 澤田美那子
垣根の茶摘みて一籠清々し     服部尚子    
あの人の目に触れさせん御忌小袖  イーブン美奈子
御忌の寺襖に雀戻り来る      丹野麻衣子
道草に蛙を捕れば叱られて     米山瑠衣
日の本の蛙鳥獣戯画の中      大平佳余子
吉良様の堤唄ひて茶摘みかな    臼杵政治
掬ひとる柄杓大きく御忌の寺    丹野麻衣子

第2句座(席題:穀雨、若鮎、忘勿草)
【特選】
この堰は富士より高し鮎のぼる   長野いづみ
竿しなふぐんぐん引くは鮎の子ぞ  齋藤嘉子

【入選】
友釣りや若鮎二尾の大暴れ     米山瑠衣
若鮎のやうな一句をいつの日か   大場梅子
若鮎の魚篭を打つたる力かな    大平佳余子
雨しづかけふは穀雨と書き入れて  菅谷和子
勿忘草好きだつたよね今朝は雨   イーブン美奈子
(丹野麻衣子 記)


第15回席題句会(29日、15名)

大谷主宰選
第1句座(席題:子蟷螂、釣堀、筍)
【特選】
子蟷螂ぞろぞろ下る茎の道     西川游歩 
選り選られこの世に命子かまきり  園田靖彦 
釣堀にちよつと遅れてをんな来る  丹野麻衣子 
それぞれに良き斧もてり子かまきり 佐々木まき 
筍やばさと山椒の枝も呉るる    神戸秀子

【入選】
たけのこを仏のごとく並べをり   木下まこと
筍にひと声かけて探り鍬      曽根崇
釣堀の鯛と目があふ桜どき     丹野麻衣子
あふれこぼれて糸ほどの子蟷螂    金澤道子

第2句座(席題:繭、蝦蛄、武者人形)
【特選】 
繭に穴小さくあけて大きな蛾    丹野麻衣子
武者人形髭の立派なはうを買ふ   神戸秀子
武者人形馬上ゆたかに手綱ひく   園田靖彦
持てるだけ持たせ背負はせ武者人形 丹野麻衣子
黄金の繭玉一つ隠し持ち      上俊一

【入選】 
すめらぎの繭の緑やとこしなへ   原京子
蝦蛄食へばもう友達よ縄のれん   喜田りえこ
よく走るつよき蝦蛄より買はれけり 曽根崇
山繭は月の光をほしいまま     神戸秀子
貧しさに耐へて繭売る家々よ    神谷宣行
桑畑もいまは果樹園繭はるか    西川遊歩
太刀抜かば一寸ほどや武者人形   上俊一
うましとて無限に蝦蛄を剥く手かな 木下まこと
(丹野麻衣子 記)


古志Zoom句会


郵便句会

大谷弘至主宰選 
特選   
母へとて萎えし土筆を握りしめ   関きみ子    
二本の山椒を結ぶ蝶の道      伊達公子     
燕の子短く翔びて親とゐる     梶原一美       
花すぎし堤は元の松原に      田中尚子     

入選   
会ひたいよ声のかぎりに叫ぶ春   福井有紀     
子雀の枝移りては蘂こぼす     梅本元子       
筍の届きて造る外かまど      原信子        
だらしなき鳥の巣なにか動く影   春日美智子     
老人の忘れるちから春うらら    水谷比嵯代    
妣まねて筍切るは大ぶりに     原信子     
志大きく孕め鯉のぼり       春日美智子      
生家いま春愁つのるものばかり   上條多恵   
蕨狩野焼きの跡を踏み締めて    北野沙羅      
櫂あげてしばし花見や小名木川   梅本元子     
父の肩に乗りて仰ぎし虹二重    上條多恵   
鳴き砂の鳴かぬ日の浜鳥雲に    白石勉      
父さんにスマッシュ決めて風光る  松岡伴子      
のどかさよ媼を鬼にかくれんぼ   北野沙羅        
種袋音の数だけ未来あり      白石勉       
木曽殿と同じ雲見て鯉のぼり    小島楓     
なんとまあ筍垣を越えて生え    原信子           
ぢぢばばと呼ばれ春蘭芳しき    白石勉         
(斉藤真知子記)


埼玉句会(25日、埼玉会館、3名)

鱵とも針魚とも書く細魚喰ふ    琅太
箸で喰ふペペロンチーノ荷風の忌
創造の翼ひろげて夏来る         
信長の手づから淹れし新茶かな   靖彦
青年に青き夢あり青嵐            
子どもらの遊べる声に春惜しむ   ゆき
惜しむべきことなき年の春惜しむ
一行の詫び状卯の花腐しかな
(萬燈ゆき記)


東京Web吟行句会(18-20日、26名、夏雲システム)

吟行地:柴又帝釈天
兼題:卯波、柏餅、花苺
10句投句/8句選句

いつまでも僕のマドンナ花いちご  神谷宣行
げんげ野にわれ置き去りにゆく春か 葛西美津子
川甚のその名惜しみてゆく春ぞ   大場梅子
若蘆をゆらと矢切の渡しかな    金澤道子
ひと鉢を朝の窓辺に花苺      神戸秀子
鑑真の大和よ遥か卯波立つ     長野いづみ
三日月に架かりしままや喧嘩凧   園田靖彦
どじよつこもふなつこも来よ田水張る 石塚純子
俳諧の味噌餡旨し柏餅       上村幸三
寅さんに良き妹よ花苺       わたなべかよ
たましひのかぐはしくあれ柏餅   関根千方
寅さんがふらつと戻る春の暮    大平佳余子
銀ぶらも久し振りなり柳の芽    吉田順子
川甚や老舗の決意かく涼し     原京子
海底の蛸壺ゆらす卯波かな     菅谷和子
花の名を問ふや蛇苺と答ふ     片山ひろし
みちのくを一の戸二の戸柏餅    鈴木伊豆山
籠り居の春光まぶし針仕事     三田菊江
早紀江さんの胸張り裂くる卯波かな 仲田寛子
遠からず旅立つ覚悟花いちご    岩﨑ひとみ
卯波立つ海を見てをり日もすがら  越智淳子
しばらくは蜂にまかせて花苺    持田明子
表札の二つある家かしは餅     石川桃瑪
猫をほめ夫を褒めて行く春よ    服部尚子
いつ来ても寅さんがゐて暖かし   那珂侑子
人を恋ふま昼の白き花苺      松岡伴子
(関根千方記)


鎌倉吟行句会(4日、Culture Space 鎌倉、7名)

吟行地:長谷寺

第一句座:吟行句・雑詠句で10句出句、5句選
観音の御足参りや日永し      道子
法灯のゆらぎ怪しきご開帳     美津子
うららかや幾千年を立仏      振昌
松の芯千三百年の観世音      侑子
長谷観音ことに四月の花浄土    桃瑪
マニ車まはして春の愁ひかな    琅太
しやぼん玉買ひべつこう飴も買ひにけり はるみ

第二句座:席題「青き踏む」「雉子」「細魚」で3句出句、3句選
カバンには不器男の句集青き踏む  はるみ
この先も青き踏みたし青き踏む   道子
鱵とも針魚とも書く細魚喰ふ    琅太
み吉野は雉のほろろに明けにけり  美津子
前山の雉子斜めに声放つ      桃瑪
一面を針魚銀なす河口かな     振昌
(長井はるみ記)


岐阜句会(22日 岐阜市西部福祉会館 6名)

第1句座 兼題(つつじ 蛙 遠足)
借景の山したがへて躑躅かな      沙羅
つつじ吸ふことを友にも教へる子    通江
躑躅咲き世の中喜びあふれをり     上松美智子
山裾のホームに母やつつじ燃え     春日美智子
田の水を待ち侘びているかはづかな   之子
遠足のキリン見上げる赤帽子      恵美子

第2句座 当季雑詠
ひとつばたごきらきら空をひとりじめ  沙羅
原つぱとじやれ合ってゐる蝶々かな   通江
二家族住む人の家春の花        上松美智子
もやもやの雲吹き飛ばせ鯉のぼり    春日美智子
峠道四月の雪に立ち尽す        之子
山門の仁王の足や春埃         恵美子
(梅田恵美子記)  


京都句会

 夏雲システムを利用して実施。事前に送った京都大覚寺,大豊神社の写真数枚からの連想句を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。

春の牛緑千里へ解き放つ        雄二
豆飯の豆の多きを仏飯に        英二
名の滝の音かと聞けば竹の秋      久美
落柿舎いま柿の新芽の頃ならん     幸子
さくら湯の花のゆつくり咲くところ   初男
オンラインみな蜃気楼かもしれぬ    忠雄
しだれつつ花持つ枝のゆれ重く     (藤井)洋子
滝跡を古歌にとどめて竹の秋      美那子  
春眠やきりんを洗ふ当番日       みりん
放蕩の果ての宴か飛花落花       りえこ
力作の器出番や野蕗炊く        美恵子 
もやもやと一年過ぎる春の暮      一爽
飛石をまだ渡れさう風光る       茉胡
(氷室茉胡記)


奈良句会(20日 ズーム句会 12名)

御奉仕の茶のあたたかき御忌詣     美那子
しだり尾の幾重しだるる藤の花     まき
春雷に延髄ひびき命愛し        みりん
ともに剥く蕗ふるさとを香らせて    久美
里山は青き炎の若葉かな        洋子
三寸に花見の夢を桜挿す        雄二
いざ臨まん初の句会や若葉風      茉胡
宮跡に百官の声百千鳥         正子
春の雨望郷の歌碑濡らすほど      りえこ
開帳や吉祥天の笑み深く        悦子
楠大樹一山のごと若葉かな        豊
花過ぎのあるじ一人の吉野建      忠雄
(上田忠雄記)                  


大阪句会

メール句会  雑詠7句出句5句選 
人絶へて花残りたる地球かな      りえこ
真青なる空引きよせて凧        豊
古希や未だ発展途上の春の道      百合子
推敲の一字決まりぬ春の雷       茉胡
恋人を映してしづか春の水       みつこ
点呼終へ遠足の列電車待つ       洋子
梅は右桜は左咲き誇る         一爽
はくらんの土に熟れていくところ    美栄子
向こう岸一人畑打つひとの見ゆ     泰子
今日こそは日輪までと揚雲雀      歌子
かぎろひて白き炎の金閣寺       美那子
また元の二人へもどる草の餅      陽子
くにやくにやの赤子洗はん花の昼    久美

Zoom席題句会  席題(虻 虚子忌 蜆)3句出句3句選
花虻の翅音せわしき庭の午後      歌子
唸りつつ虻迷ひこむ法話かな      久美
まどろみの赤子の頬へ花の虻      りえこ
虚子の忌や五色の水の照り翳り     陽子
いまだして手に負えぬ人虚子忌かな   みつこ
淡海の水のひかりの蜆かな       豊
ワクチンのニュースばかりや蜆汁    洋子
じやりじやりと砂を嚙みたる蜆汁    一爽
命コトと蜆の気配する厨        百合子
(木下洋子記)


松山句会(17日 メール句会 11名)

兼題:観潮船、沈丁花、貝寄風、木の芽時、雪虫、西行忌
5句出句 5句選
わが町に残る足跡西行忌       孝子
貝寄風や網を繕ふ徒人海女      伊都夫
沈丁の香り入りたる西病棟      薫
心中に蠢くものや木の芽どき     まさし
雪虫や地球ふはりと浮いてゐる    崇
観潮船渦のあたりがあかるいぞ    陽市
隣人と話も弾む木の芽時       真奈美
貝寄風や三女神なる御神体      紫春
観潮船身を引きし時深き渦      夕未子
たんぽぽの綿のまんまるまだ飛ばず  一美
雲雀野よつなぐ右手と左手と     陽市
沈丁花母の好みし花なりし      孝子
昔ナナハン今はチャリンコ木の芽時  伊都夫  
山里に若き移住者木の芽時      まこと
貝寄風に鷗の群れは輪となりて    真奈美  
芽吹く木の影やはらかし西行忌    崇  
草かぐわし丘に開けし野球場     一美 
万愚節一人笑はば皆笑ふ       まさし
沈丁の香に誘はれて歩を伸ばす    薫 
雪虫や心経の文字浮遊して      紫春 
ひそやかに艶めく闇や沈丁花     崇  
渦潮や能島の花はまだ早く      まこと  
(木下まこと記)    


福岡句会(24日 通信句会)

ひとり言なんじやもんじやの花の下  和子
日本丸針路初夏へと舵を切る     博人
花御堂はや払はれて誰もゐぬ     國光
牡丹やばさりとくづれ残る黙     充子
筍の力溜めたる曲がりかな      桃潤
初燕快気祝の客として        祥子
背比べするごと松の緑立つ      久子  
海のこと鯵淡々と語りけり      龍梅
花買ひに寄る夕の街春時雨      幸子
大の字の我も小さしうまごやし    緑
夏来る糊をきかせてシャツの襟    真知子
(斉藤真知子記)


長崎句会(23日 まり庵 8名)

当季雑詠 5句
潮干狩り幼の周りにそつと撒き    順子
新樹光藍より青く布に生れ      なおよ
子蛙のドット模様や散歩道      弘美
制服のパリッと固き四月かな     まり子
甘茶汲む杓子の中も花まつり     睦美
待合室牛乳パックの中に蝌蚪     玲子
山笑ふとぎれとぎれや子等の声    美智子
たぎる腹抱へて笑ふ阿蘇の山     瑠衣

題詠2句(花冷え・遠足)
遠足のおやつ朝まで枕元       順子
頂上や遠足西から東から       なおよ
花冷やころころコロナ巣籠りす    弘美
一番乗りの診察室の花の冷      まり子
とことことおひとりさまの遠足よ   睦美
遠足の列から挨拶つぎつぎと     玲子
遠足や帰りの足は他人の足      瑠衣
(米山瑠衣記)


第3回長崎句会(3月20日、11名)

大谷主宰選
第1句座
【特選】
心躍る春の匂ひの何処からか    本田玲子
どこよりもこの田が好きよ田螺鳴く 丹野麻衣子
千年の招おが霊木たまのきよほうほけきよ ももたなおよ
コロナとはやれ鯥五郎考えよ    丹野麻衣子
寝ぼけ顔ポンとはじけるミモザの黄 橋口文
ゴマ粒の花も訪れ庭は春      橋口文
【入選】
杉の花わつさわつさと風に乗り   山下まり子
朝の野や靴濡らしつつ初わらび   米山瑠衣
によきによきと何萌えいづる句会かな ストーン睦美
花烏賊や波に遊んで花の色     丹野麻衣子
囀りやアイネクライネひとくさり  林弘美
烏貝踏んて大坂向かう岸      丹野麻衣子
まむし草童話になれば面白そう   徳久綾子
沢庵を噛む音さへも長閑なり    本田玲子
仁王立ちして渦潮に舵を切る    眞田順子

第2句座(席題:桜貝、麦踏、遍路)
【特選】
弥撒終へて帰る道々麦を踏む    ももたなおよ
お遍路や三日晴れなく明日は雨   ももたなおよ
思ひのみ行方は知れず桜貝     橋口文
【入選】
懐かしや越して浜辺の桜貝     徳久綾子
置き去りの赤ん坊育ち遍路宿    丹野麻衣子
麦踏や幼き足も加はりて      眞田順子
人影の見えては隠れ麦踏機     林弘美
(丹野麻衣子 記)

                 


         

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