2021年1月句会報告

第11回You tube句会(1月23日、51名)

大谷主宰選
【特選】
火事見舞米一升を炊き上げん    米山瑠衣
その先の冬青空へ結露拭く     田村史生
籠り居に慣れてしまひぬ初日記   澤田美那子
鷽替へやのんど真つ赤な鷽をまた  西川遊歩
虚子立子ここに眠れり龍の玉    金澤道子
八雲たつ稲佐の浜や初相撲     園田靖彦
弟に墓参を頼み春を待つ      臼杵政治
【入選】
ラーゲリの御霊載せ来よ流氷よ   鈴木伊豆山
にがにがき熊の命の胆なむる    菅谷和子
大漁の舟ゆるゆると寒蜆      大場梅子
大寒の地鳴りや民の嘆く声     大場梅子
何時か死ぬ大安心や寒すみれ    岡村美沙子
冬椿咲けばたちまち目白の木    ももたなおよ
目を覚まし一句詠まれよ春隣    原京子
山羊の髭靡ける風に甘蔗刈る    丹野麻衣子
凧一村の空奪ひあひ        長野いづみ
色鉛筆ころころころと春隣     原京子
褞袍着て受験の鬼となりにけり   木下洋子
待春や余白大きく達磨の図     木下まこと
手袋と言へば軍手のほかはなく   園田靖彦
粕汁や双手で包む夫婦椀      谷村和華子
寒蜆母へ差し出す手の真つ赤    神戸秀子
むつみあふ恋の田螺や泥の中    菅谷和子
木偶まはすたびに日脚が伸びてゆき 篠原隆子
この島の果ては絶壁甘蔗刈る    丹野麻衣子
土竜打もぐらの家も空き家かな   前崎都
猿曳や金糸銀糸のちやんちやんこ  長野いづみ

(丹野麻衣子記)


古志Zoom句会


第10回You tube席題句会(1月5日、11名)

大谷主宰選
第1句座(席題:破魔矢、恵方、裏白)
【特選】
かのとうし恵方はどこか知らぬまま 上俊一
破魔弓をむんずと受けて須佐之男は 大場梅子
恵方へと病棟の窓開け放つ     神谷宣行
あたらしき雪にこぼれて歯朶の塵  篠原隆子
裏白のいよよ白増すめでたさよ   丹野麻衣子
餅載せてやうやく歯朶の有難み   上俊一
【入選】
今付けし厨の羊歯のもう乾び    原京子
歯朶の葉や活けて古伊賀の破袋   篠原隆子
裏山の裏白刈りて長者かな     大平佳余子

第2句座(席題:初釜、獅子舞、初風)
【特選】
初釜やたつぷりと炭起こしおく   丹野麻衣子
初風やぺんぺん草が屋根のうへ   上俊一
獅子舞よ疫病神に勝てずとも    上俊一
初風となりて一さし舞ひにけり   篠原隆子
獅子舞にがぶと食はれに馳せ参ず  木下洋子

【入選】
獅子舞に噛んでもろうて長寿かな  澤田美那子
獅子の笛はるか越後の恋しかり   片山ひろし
新婚の若宗匠や初点前       大場梅子
(丹野麻衣子 記)


第11回You tube席題句会(1月9日、11名)

大谷主宰選
第1句座(席題:松納、千鳥、初伊勢)
【特選】
震へつつ門松とれば宅配便    越智淳子
国引きの浜よ千鳥の鳴き残る   丹野麻衣子
初伊勢や鶏の歩みにつきゆくも  丹野麻衣子
浜千鳥波よけてまた波へ寄り   越智淳子
南国の雪を払ひて松納め     木下まこと
形よき納め忘れの松となり    丹野麻衣子
【入選】
松納松は解きて木の根元     ももたなおよ
みづうみの身を切る風に松納   神戸秀子
磯千鳥智恵子のこゑもまぢるべし 神戸秀子
荒ぶれる波より早し千鳥足    曽根崇

第2句座(席題:小松引、若菜、海鼠)
【特選】
若菜摘忍野はことに芹ゆたか   神戸秀子
神の水少し濁して小松引     曽根崇
雪晴るる明日こそ若菜摘みに出ん 米山瑠衣
寒風もめでたさのうち小松引   長野いづみ
若菜摘もぐらの穴に足とられ   木下まこと
小松引虹の光の親の松      丹野麻衣子
さはされど若菜たえざる国にして 篠原隆子

【入選】
若菜粥星のはなしを子に聞かせ  木下まこと
産土の神を称へて松を引く    喜田りえこ
空翔る竜になれとて小松引    丹野麻衣子
青々と香る箒や子の日草     米山瑠衣
海鼠食む一斗の酒を傍らに    喜田りえこ
(丹野麻衣子記)


郵便句会

大谷弘至主宰選

【特選】   
読初や学びはいのち尽くるまで      関きみ子       
新しき獨楽をかかへてまだ打てず     梶原一美       
注連焚く火小さく立てて猿田彦      梶原一美    
己が足はこぶ悦び青き踏む        梅本元子       
つながれてスワンボートの浮寝かな    小島楓
【入選】 
阿武隈の山ふところに初湯せん      神永秀郎   
たらちねの乳房に似たり大蕪       梅本元子   
遠き日の覗きからくり宵ゑびす      田中尚子        
干すシャツに飛蝗跳ねつく寒日和         白石勉      
藪はいま鵯の王国訪ね来よ        春日美智子       
髪白くなりぬ芒野駆け抜けて       伊達公子       
せりなづなすずなすずしろみなよき名   関きみ子     
冬菫四半世紀が三度往き         田中尚子        
姿なき雀よ一茶へ御慶かな        梅本元子       
伊勢海老の真夜を小さく鳴くことよ    水谷比嵯代       
ふるさとは富士正面に大旦        上條多恵    
目力を磨きに磨く寒稽古         北林令子      
着ぶくれて弁天様に銭あらふ       小島楓      
しつぽだけ初湯の猫の嬉しさう      森康子     
蘇へるアフガンの土麦を刈る       上條多恵      
雪のホームに降りれば吾も雪婆んご    伊達公子     
裏白採り嘗てわんさと上宮へ       北野沙羅     
空腹を満たすラーメン寒稽古       神谷和子                                        
 (斉藤真知子記)


埼玉句会(24日、埼玉会館、4名)

核の傘さしてどちらへ寒からん   琅太
春を待つ漱石の髭猫の髭      〃
大鮪まぐろのやうな漢競る     靖彦
月を見て一声さみし猫の恋     〃
冬すみれ空の青さに吸ひこまれ   邦紀
いつの間に切られの与三や恋の猫  〃
戻りえぬ過去あるごとし冬すみれ  ゆき
天空のブラックホールへ豆を打つ  〃
(萬燈ゆき記)


東京Web吟行句会(16-18日、夏雲システム、27名)

吟行地:北鎌倉界隈
兼題:春隣、笹鳴、龍の玉

一句よりこぼれてはずむ龍の玉  上村幸三
海あれて壱岐も対馬も鯨かな   菅谷和子
目つむりて耳遊ばさん春隣    関根千方
スプーンをつたふ蜂みつ春隣   仲田寛子
埋火やいざ鎌倉のその日まで   神戸秀子
好きなだけ持つて行かれよ寒施行 大場梅子
大寒の雀駆け込む東慶寺     片山ひろし
笹鳴や小津の贔屓の稲荷寿司   金澤道子
冬牡丹きのふの雪を菰にのせ   神谷宣行
鎌倉の大仏けふは日向ぼこ    大平佳余子
結露拭く朝日の窓も春隣     葛西美津子
隠れなき蠟梅の香よ久女の忌   石塚純子
天上へ龍登り行くどんどかな   園田靖彦
笹鳴や桃青鈴鹿越え行きし    鈴木伊豆山
赤べこが頭をゆらし春を待つ   持田明子
テレビ電話に混じる喃語も御慶かな わたなべかよ
日いづる国の詩歌や龍の玉    長井亜紀
地球儀を指で巡らん春隣     長野いづみ
春隣実朝の海晴れわたる     吉田順子
雪布団地下のじゃがいも眠らせて 原京子
かんばせの和む阿修羅や春隣   石川桃瑪
軽々と地球を回す冬の蠅     岩﨑ひとみ
寒の水飲みて我が身を励まさん  三田菊江
ワクチンの接種始まる春隣    那珂侑子
年賀状かの秀才も猫自慢     服部尚子
忘らるるものの多さよ龍の玉   越智淳子
露天湯の薮を揺らして笹鳴けり  松岡伴子
(関根千方記)


岐阜句会(28日  岐阜市西部福祉会館  6名)
 
第1句座 兼題(春隣、久女の忌、寒稽古)
放ちたる矢の音ひびく春隣      沙羅
さよならは言はず言へずに久女の忌  之子
ボウタイの結び目逆さ春近し     春日美智子
久女忌や私は何を残せるか      上松美智子
遠山はうす紫や春隣         通江
蝋梅の蕾は固し久女の忌       恵美子
  
第2句座 当季雑詠
脳内の中の中まで悴めり       沙羅
コロナ禍やいのちをつつみ除夜の鐘  之子
こぼれゐる蕾も生けむ?梅花       春日美智子
ゆらゆらと足動かして寒の海老    上松美智子
ビル高しすきまに冬の青き空     通江
春隣遠くけぶりしビルの街      恵美子
(梅田恵美子記)


京都句会

夏雲システムを利用して実施。事前に送った写真4枚からの連想句を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。

りゅう宮の塵どっさりと寶船      初男
蝶去れば蝿の飛び来る日向ぼこ      雄二
一手目のかんと響くや初将棋      忠雄
いつのまに妻の立て膝花かるた     りえこ
太箸は裏山の竹緑冴ゆ         美恵子
にこにこと餅はふくれて笑ひけり    幸子
独楽まわす腕は確かや老いの技     英二
幻の客が背を押す冬競技        重明
負けて泣くことが力に日脚伸ぶ     茉胡
(氷室茉胡記)


奈良句会(9日 ズーム句会 11名)

飛びながら夫婦喧嘩か初鴉          正子
荒星となりて果てゆく地球かな     りえこ
人の世を行きつ戻りつ絵双六       美那子
大三輪の神の裳裾よ初霞         久美
睨み鯛目玉ゆるびて四日かな       洋子
七福のせめて一福授からん        まき
ぱんぱんの腹には双子春を待つ     茉胡
手を伸ばし空に結ぶや初みくじ     雄二
雪降るや心昂ぶるおもひあり       豊
むささびの闇に飛び込む柄杓星     悦子
氷柱より春が一滴二滴かな        忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会(メール句会)

第一句座
吊るし柿鳥に食はせて残り三つ    美栄子
厠にも神の宿りの実千両       美那子
餅つきやお国ことばがほいと出て   陽子
うまそうな青菜一列冬の畑      泰子
虎落笛更地に残る大き石       豊
絵双六行く手を阻むバイキンマン   茉胡
冬ざれを住処としたる大鴉      百合子
冬萌や大和三山あひ寄らず      久美
月磨き星も磨かん虎落笛       まき
闘ひはまだ終らないマスクかな    洋子
古暦はづして壁の大きこと      みつこ
極月の沈黙深し大伽藍        りえこ

席題(元朝、花びら餅、楪)
裏日本雪も豊かに大旦        まき
元朝の空気新たや肺の奥       百合子
元朝やいつもの通り湯を沸かし    美那子
元朝やまほろばに立つ春日山     豊
元朝やきりりと絞める赤褌      りえこ 
花びら餅雪の香りのほのかなる    久美
花びら餅茶釜の湯気のほのぼのと   洋子
はなびらもち娘時代を思い出す    泰子
花びら餅これは何かな牛蒡だよ    茉胡
ゆづり葉や両手にあまる緑もて    みつこ
子の齢数へゆづり葉飾りけり     陽子
(木下洋子記)


松山句会(23日 メール句会 9名)

兼題:初が付く季語、正月の料理、独楽、笑初
5句出句 5句選

百歳にしてほんものの初笑ひ      陽市
初空へ思いきり打つバドミントン    孝子
初笑妻の月日のまどやかに       崇
み雪晴れ一筋の雲立ちのぼる      一美
初売りや朱色の幟はためきて       真奈美
掌の独楽や生命線を飛び越えて     紫春
病む人の身をおこしつつ初笑      伊都夫
独楽回す子等の遊びの遠き日や     夕未子
言葉こそあたらしくあれ初山河     まこと
絶頂にある大独楽のしづけさよ     陽市
和やかに師は椅子にあり初稽古     崇
弾かれてしぶとく回る我の独楽     真奈美
うろうろと一人住まひの初笑ひ     紫春
笑い初め孫と打ち合うバドミントン   孝子
独楽二つ柱のかげの置き所       一美
核兵器廃絶遠し雑煮かな        伊都夫
還暦といふ未知の顔初鏡        まこと
(木下まこと記)


福岡句会(20日 通信句会 11名) 

五句出句 五句選句 
大蕪さつくと白き水を切る      桃潤
人ごゑを力にひらく寒牡丹      真知子
読初は中村哲のカカ・ムラド     祥子
初春やさあ腰据えて終活を      充子
放下して生に還るなり冬木みな    修 
初戎牛にひかれて参ろうぞ      和子
青龍のたうたうと往く春の水     龍梅
春の音遠く近くにプロペラ機     博人
手の届くところから雪闇の中     國光
思ひがけず頂くものに冬満月     久子
下りてくるスキーリフトに雪女    緑
(吉冨緑記)


長崎句会(26日 メール句会 9名)

当季雑詠 5句
朝日さす軒の雨どひ湯気立てて    弘美
大雪の三日を籠る坂の家       まり子
女正月古布を持ち寄りタペストリー  なおよ
きゆつきゆつと新雪踏まん朝一番   順子
風花や今ひとときを掌に       玲子
年頭やお神酒注いで庭の松      綾子
友来たるふはりとスカーフ花びら餅  あや
春近し新大統領就任す        睦美
牡蠣の殻海に引かれて白帆かな    瑠衣

題詠2句(鬼やらひ・日脚伸ぶ)
鬼やらひ豆は撒かずに食ひにけり   弘美
見舞ひなき病室の椅子日脚伸ぶ    まり子
先ずもつて新鬼コロナやらひけり   なおよ
鬼やらふ籠りし日々を開け放ち    順子
鬼やらひ笑ひの絶えぬばあば達    玲子
久し振り積もる話や日脚伸ぶ     綾子
日脚伸ぶ東濃地方の写真集      あや
節分の豆数えることとうにやめ    睦美
湖の水満々として日脚伸ぶ      瑠衣
(米山瑠衣記)


熊本句会(通信句会 4名)

初鴉己の羽を踏みしめて       茉莉子
吾子抱きて旅人となる花の春     茉莉子
寒昴介護の灯りまた点る       裕子
冬晴や菅公の牛撫でにゆかん     裕子
寒泳の血流滾りゐたるかな      戌彦
長旅の猫帰り来て花の春       戌彦
流木も良き煤となれどんど焼     榾火
妻の手に粥草にほへ空晴れて     榾火
(今村榾火記)

                 


                 

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