2020年10月句会報告


第8回YouTube句会(24日、45名)

3句出句3句選

大谷主宰選
【特選】
火の生れしころの記憶の栗を剥く イーブン美奈子
鷹の来る松はそのまま松手入   神戸秀子
ありたけの日差しを広げ障子貼る 百田直代
もの言はぬものより深みゆく秋よ 木下まこと
松手入れ後は羽衣待つばかり   稲垣雄二
脇の句をつけてかろがろ新酒汲む 丹野麻衣子
争ひしきのふの角や伐られたる  神戸秀子

【入選】
子は背なに回して案山子抱きにけり 辻奈央子
俎板を干せば木犀かをりくる   山中すみえ
わが人生霧の高速走るかに    西貝幸子
カリカリと音せぬ奴は柿でなし  原京子
こめ差しに嬉々と跳び来る新米よ 園田靖彦
身にしむや豚の一世は六か月   間宮伸子
腕の傷あけびを取りし遠山河   曽根崇
目隠しの艦や登高ゆるされず   鈴木伊豆山
冷まじや鴉ぶら下げ鴉逐ふ    稲垣雄二
唐辛子かくもとんがりかくも赤  上俊一
雁や別れに行けず合はせる掌   池田祥子
世は霧の世親菩薩がまなざしよ  篠原隆子

(丹野麻衣子記)次回:11月28日


古志Zoom句会


郵便句会

大谷弘至主宰選        

特選  
寝羅漢の石の鼾も秋の夕      森康子  
秋潮に影置くフェリーのさみしさよ 梶原夕未子  
伊良湖岬鷹の渡るは今日のみと   小島楓  
清澄の松の手入れや舟寄せて    梅本元子  
白鷺の白冷まじく群れをりて    北林令子

入選  
吾も還る海へ鯖鮎下りゆく     上条多恵  
漂着の徐福の宮の露けしや     水谷比嵯代  
献上の唐辛子の荷島の朝      中西薹子
山栗のあれば必ず拾ふくせ     原信子  
枯れてこそ力満ちたる飛蝗かな   春日美智子  
蓮の実をほくほく喰ふて元気なる  水谷比嵯代  
玻璃に来て夜ごと肥えゆく守宮かな 春日美智子
隣人には我も隣人秋桜       佐藤光枝               
(斉藤真知子記)


埼玉句会(25日、埼玉会館、6名)

草場弘さんの参加により新しい血が流れこみ、ますます元気な句会となりました。

秋晴の匂をまとひ君来る      琅太
もの音は君のもの音秋深し     〃
天が下新米嬉々と炊きあがる    靖彦
山の子は地罠掛けたか冬に入る   〃
草虱ひとつづつ捨て愛(お)しみけり 邦紀
蜉蝣の浮游の果ては幻か      〃
手の内の胡桃を鳴らし秋惜しむ   つねお
借金を忘れてしまふ小春かな    〃
呉越分く大河の先へ月の道     弘
泥を食む浜鴫砧打つ如く      〃
一度だけ空飛びたしと穴惑ひ    ゆき
これからは赤を着やうか初時雨   〃
(萬燈ゆき記)


東京ウェブ吟行句会(18-20日、夏雲システム、26名)

吟行地:深大寺
兼題:登高、新綿、橡餅
投句10句/選句7句

新綿のこころで君を包むべく   関根千方
橡餅や山から冬がやつてくる   上村幸三
露の世のわれら妖怪マスクして  神戸秀子
栃餅のかすかな苦みこそ故郷   わたなべかよ
めでたさのとくとく音す新走り  園田靖彦
月山の水に晒して橡の餅     仲田寛子
ふつくらと日和吸ひ込み今年綿  葛西美津子
かけ替えて竹あをあをと鹿威し  菅谷和子
新綿や江戸へと競ふ桧垣船    大場梅子
秋冷をゆるリと押して太極拳   三田菊江
出来立ての雲の風合ひ今年綿   石川桃瑪
これよりは未踏の峰ぞ登高す   神谷宣行
登高や皆ひとつづつ年とりて   金澤道子
橡の実に馬頭観音また打たる   持田明子
白鳳仏秋思の指の欠けしまま   大平佳余子
この道と決めて高きに登りけり  片山ひろし
橡餅や私にもある国訛      那珂侑子
火祭やのんど下りゆく力水    吉田順子
登高や万里の客となりし午後   岩﨑ひとみ
新綿を足せし布団に包まれり   鈴木伊豆山
無患子や皆で見上げし日のはるか 原京子
齢言はず共に高きに登らんや   越智淳子
雲はしる梁山泊の菊の宴     服部尚子
名物は水のうまさよ新蕎麦よ   長井亜紀
この星の王冠であれ秋の虹    松岡伴子
登高や木に星鴉空に星      長野いづみ


鎌倉吟行句会 (4日、稲村ケ崎)

第一句座 鷹の渡り 10句投句5句選
江ノ島の喧騒遠く新松子      美津子
故郷が二つありけり鷹渡る     良子
桐一葉落ちて蛇笏の忌なりけり   琅太
草の絮風は南に変はりけり     道子
砂浜へ降りる階段秋日和      桃瑪
実朝は芙蓉義経はあざみかな    振昌
ぱたぱたとあれは地獄の鷹渡り   侑子
第二句句座  蓮の実 3句投句3句選
蓮の実の飛んで右利き左利き    桃瑪
蓮の実の飛びし水輪のすぐ消ゆる  道子
安南は三度蓮の実ご飯かな     振昌
蓮の実の飛んで今宵はひとり飯   美津子
喜べばしきりに飛んで蓮の実    良子
蓮の実の飛んで過不足なかりけり  琅太
蓮の実のぽんぽん飛んでよき日なり 侑子
(那珂侑子記)


愛知吟行句会(8日 名古屋市鶴舞公園)

 JR中央本線「鶴舞」駅の改札口に集合。台風14号の前触れの雨の中、公園の中を通って、八幡山古墳へ。この地方で最大規模の直径82mほどの円墳を一回り。その後、公園へ戻り、枯蓮や秋の薔薇を見て、句会会場の無料憩所へ。

茎折れて骸となりぬ蓮の実     恵美子
露こぼれ葉をゆらしをり破蓮    沙羅
蓮の実をぽりぽり喰うて夫元気   比嵯代
古墳ごと濡らして十月台風来    楓
薔薇の秋もの言ひたげに少女像   正博
透き通る傘や明るき秋野かな    通江
秋の雨ためてはこぼす蓮かな    雄二
(稲垣雄二記)


岐阜句会(22日 岐阜市西部福祉会館 8名)

第1句座 席題(後の月、菊、大豆)
菊咲いて輪中の村の香り立つ     誠一
菊坂を登りておりぬ十三夜      沙羅
義父と見し義母亡きあとの後の月   上松美智子
大鍋に大豆を入れて香りかな     通江
気塞ぐコロナ禍の日々野辺の菊    之子
おほばこよでこぼこ道のなつかしき  春日美智子
大葉子や引つぱりあつて遊びし日   恵美子

第2句座当季雑詠
妻のこと何処かに忘れ大花野     誠一
新蕎麦の歯応へ嬉し山の宿      上松美智子
蜩や御堂の闇に祈る人        之子
ものの声王の如くにちちろかな    春日美智子
水旨き山の湯宿や星月夜       恵美子
(梅田恵美子記)               


京都句会(25日 こどもみらい館 3名)

 第1句座当季雑詠、第2句座席題「隼」「鞍馬の火祭」「障子洗ふ」、第3句座席題「木の葉髪」「芭蕉忌」「北窓塞ぐ」、いずれも6句出句5句選

椿の実日暮るるまで選り分けて    りえこ
歯を逃ぐるぷりつぷりのイクラかな  幸子
顔に泥浴びて格闘泥鰌掘る      茉胡
火祭や太古の声がみぬちより     りえこ
障子洗ふ蓮華王院水浸し       幸子
隼の一瞥闇の先の先         茉胡
かけめぐる夢忘じたり翁の忌     りえこ
木の葉髪隠すことより楽しんで    幸子
北窓を塞ぐ断捨離なさぬまま     茉胡
(氷室茉胡記)                   


奈良句会(9日 リモート句会 10名)

手を止めて茶を淹れかふる夜寒かな   美那子
併せ飲む四種の薬うそ寒し              茉胡
萩の風誰ぞの気配通りすぎ              正子
新米を炊いて湯気ごと握り飯             洋子
晒巻く夫に二度惚秋祭                   りえこ
汐待つて逸る男ら秋祭                      久美
持つてけと野分に呉れん何々か            瑳楓
をさな子もねじり鉢巻き秋祭り            豊
風よりも速き情報野分なか              悦子
ゆさゆさと野分の森の動くかな            忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会(メール句会)

マスクからはみ出す愚痴や秋暑し   みつこ
旧友の暮らしそれぞれ秋茄子     歌子
月さして命の宿る菊人形       洋子
野仏の石に還るや秋の風       りえこ
さまざまな声聞こえくる墓参かな   豊
爽やかに名前呼ばれて血を採らる   美那子
青空の底に大きな秋がゐる      百合子
丸善を半年無沙汰檸檬に雨      美栄子
萩餅に母の指あと十三夜       久美
自転車の行く手を切りてトンボ飛ぶ  泰子
つづれさせ母の記憶の端に吾     陽子
順番を付けぬ園児の運動会      茉胡
(木下洋子記)


岡山句会(25日 倉敷公民館)

席題「秋思、銀杏散る」
穭田の枯れて野となる雀かな     崇
全校の六人つれて登高す       一雄
灯火親し付箋いろいろ本に花     有里子
合言葉交はす子供や草の花      広
(神蛇広記)


福岡句会(24日 なみきスクエア 7名)

第一句座 当季雑詠 五句出句五句選
息ふかく吸つて吐き切る鰯雲     和子
炉開きの炭太々とありにけり     真知子
生きるとは多くの別れ鰯雲      龍梅
瞬きの早まる星に夜寒かな      久子
実ざくろのみしりみしりと弾けたる  充子
栗五つ六つ女房ひとつ笑ふ      國光
コスモスの丘つぎつぎと雲吐きぬ   緑

第二句座 席題「紅葉、背高泡立草、栗」 三句出句三句選
撮り鉄の潜み背高泡立草       國光
栗ひとつ僧の頭に落ちにけり     真知子
泡立草遊び上手の子の隠れ      和子
栗をむく何時の間にやら無心なり   充子
栗焼くやぱちぱち割れて夜が明ける  龍梅
夕紅葉先行き読めぬ感染症      久子
大いなる栗の実のあり口の中     緑
(吉冨緑記)


長崎句会(23日 まり庵 8名、うち不在投句2名)                   

当季雑詠 持ち寄り5句
虫の声辿り着きたる何でも屋     弘美
露の世やおのおのの露持ちながら   まり子
つんつんと次に咲かんとつはの花   直代
父に出す前に枝豆二つ食べ      玲子
今宵こそ母に見せばや望の月     あや
鰯雲大空連れて進行す        綾子
秋の蜂残りし蜜をかき集め      むつみ
半世紀海苔篊立てて夫婦かな     瑠衣

題詠2句(刈田、柿)
破れ芭蕉打ち払はれて次の株     弘美
干し柿や厚さ甘さは地の自慢     まり子
柿嫌ひ渋柿齧りたる日から      直代
車椅子手際はみごと吊るし柿     玲子
柿を恋ふカナダの友へ送りたし    あや
習ひ事通ふ刈田の一本道       綾子
稲高く架けて夕日を受け止めん    むつみ
とりどりに刈田飛び立つ熱気球    瑠衣
(米山瑠衣記)              


熊本句会(通信句会 4名)

秋風に足をぶらぶらさせてをり     裕子
つぶ餡かこし餡か問ふ秋日和      裕子
新しきキャットフードや菊日和     茉莉子
喘息の呼吸は静かちちろ鳴く      茉莉子
とりどりの風遊ばせて秋桜       戌彦
秋蝶や柩車の扉しまる音        戌彦
水俣や色なき風の彼岸まで       榾火
秋高しパン屋の列の最後尾       榾火
(今村榾火記)


熊本あふちの会(21日     三城宅)

第一句座(当季雑詠)
いつしかに風は変はりて種ふくべ    和子
銀杏散る休校続く赤レンガ       節子
沿線に干潟拡がり鯊日和        佳代子

第二句座(兼題 鰯雲、柿)
古唐津の器に添へて柿紅葉       節子
鰯雲自転車押して土手を ゆく      和子
海へ向く終着駅や鰯雲         佳代子
(三城佳代子記)

           

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