2026年3月句会報告

ZOOM句会


深川句会(11日/18名)

大谷主宰選

第一句座

【特選】

安次と實両吟春炬燵          西川遊歩
はくれんの開き初めたる白さこそ    藤 英樹
おはぐろの祖母ゐますかに官女雛    神戸秀子
船ばたのわれらは椿渦見船       神戸秀子
花粉症薬は瀬田の松の風        臼杵政治
杖つくやわれも翁に膳所の春      臼杵政治
鯛めしを炊くよろこびも櫻どき     小林昌子
着かざつて芸妓列なす絵踏かな     篠原隆子
よく晴れて佐渡にうれしき初音かな   安藤 文

【入選】

壊滅といふ二文字の朧かな       三玉一郎
巣箱あり三月十一日のまま       三玉一郎
扇もち座れば我も古雛         城田容子
箱入りに育てしはずが恋の猫      城田容子
蕗味噌や小鉢がはりの貝の殻      神戸秀子
梅見行四阿に炭火の爆てをり      越智淳子
花ひとひら松園の画の舞始む     長野いづみ
たらたらと虚子のひらがな春日和   長井はるみ
北窓を開けて牧之の上梓かな     長井はるみ
大試験二日目独り泊まる宿      長井はるみ
遅き日を宮本みさ子瞑目す       藤 英樹
父呆けてひとかたまりの朧かな     安藤 文
引き潮の間合うかがひ磯菜摘む     園田靖彦
夫婦雛遺して母は父のもと       神谷宜行
花鳥賊の腸をさぐれば餌の雑魚    大平佳余子
かく一人母は棲みしかシクラメン    臼杵政治

第二句座 席題 ( 春惜しむ 朝寝 竹の秋 )

【特選】

葛城の山はるかなる朝寝かな      篠原隆子
惜春の子に誂へし琴の爪        篠原隆子
ひとりでは惜しみきれざる春惜しむ   三玉一郎
ひと揺れに山河うしなふ竹の秋     神戸秀子

【入選】

泥沼の戦争の春惜しみけり       安藤 文
竹の秋白洲正子の夜叉の面      大平佳余子
思ひ切り朝寝する子が妬ましく     臼杵政治
言ひ出せず書き出せず春惜むかな   長井はるみ
嫁ぐ娘とひろげる衣装春惜しむ     菅谷和子
みちのくの荒ぶる神も朝寝かな     城田容子
曾良起きよ三百年の大朝寝       園田靖彦

(篠原隆子記) 


東京ウェブ吟行句会 (15-18日/夏雲システム/19名)

吟行地:皇居東御苑
兼題:霾、雪晒、獣交む

花揺らし花に揺れをり鳥の恋    藤英樹
馬頭琴響く草原馬交む       菅谷和子
種馬や北の大地に名馬の血     神谷宣行
木々は花こぼして森のかまひ時   神戸秀子
眩しさの越後平野へ雪晒      上村幸三
くつきりと越後三山雪晒      金澤道子
蒼天は一反の布雪晒し       関根千方
はるけさの黄河文明霾れる     石川桃瑪
長城の土もまじへて黄砂降る    片山ひろし
種馬や北の大地は息吹せり     谷村和華子
獣交るノアの箱舟大揺れす     大平佳余子
のどやかや東御苑に茶摘唄     原京子
真青なる空一面や布晒す      長野いづみ
つちふるや詐欺の電話のかかりきし 那珂侑子
雪晒こころの汚れいかにせん    園田靖彦
霾や地蔵も痒き目元して      岩﨑ひとみ
遺体なくへその緒葬る3.11   岡村美沙子
どうせ度の合はぬ眼鏡よ霾晦    臼杵政治
雪だるまマンションホールに溶けゆけり 松岡伴子

(関根千方記)


鎌倉吟行句会 (1日 三渓園 9名)

第一句座  (7句出5句選)
梅見して熱き番茶をみてなさる   淳子
芽柳や明日のことはまたあした   美津子
たぷたぷと水揺さぶつて春の風   道子
園内のあちこちにほら蕗のたう   益美 
(句碑)たらたらと虚子のひらがな春日和 はるみ
しだるるは長き芽柳吾もふはり   桃瑪
今すぐに触つてみよと猫柳     健
木蓮や空の水色まだ薄し      大志
一塊のひかり流るる川の春     和華子

第二句座  (田螺/桜餅 3句出3句選)
千枚の棚田に光る田螺かな     健
犇めきてバケツの中や田螺鳴く   大志
酒のまぬ仲人なれば桜餅      はるみ
桜餅隠し事など何もなく      桃瑪
ようやつとのがれて村の田螺食ふ  益美
夜の厨田螺が鳴いてをりにけり   美津子
女子に生れ誇らしく食ぶ桜餅    淳子
小鉢一つ俳句の種の田螺和     道子
さくら姫目覚めるころか桜餅    和華子

(谷村和華子記)


愛知吟行句会(6日 名古屋市藤前干潟)

当日は春の大潮で、干潮に近づくにつれて干潟が徐々に表れる様子を見ながら吟行。近くの野鳥観察館からは双眼鏡で集まっている鳥たちを観察。その後、稲永ビジターセンターで句会。

瞑想の杭のみさごや遠伊吹    恵美子 
風拾ひ伊吹山よりさしばかな   春日美智子 
釣人の忘れものかやしほまねき  楓 
春干潟とばりの奥の鳥の足    正博 
竿を置き当たり待つだけ春の海  雄二

(稲垣雄二記)


岐阜句会(26日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題:桜、筍、さへづり

さへづりへ集まつてくる一樹かな  沙羅 
さへづりやはて鶯の声ならん    上松美智子 
藪中は小鳥天国囀れる       春日美智子 
大空や藪はみ出してさへづれり   恵美子

第2句座 当季雑詠

花蔭のベンチに二人うごかざる   沙羅 
蚕豆の記芽の先をつみ天ぷらに   上松美智子 
園庭の栴檀匂ひ鴉の巣       春日美智子 
逃げ水やふるさとはるか父母はるか 恵美子

(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会3月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。

対面句会は、いつもの第3水曜日の18日に実施しました。結果は次のとおりです。参加者6名。
第1句座 当季雑詠 6句出句6句選句(うち1句特選)
第2句座 席題:紙コップ、春の夢、蛍烏賊、蘖、入学、菠薐草 6句出句6句選句(うち1句特選)
来月の対面句会も、第3水曜日の15日開催です。

偲べども富士は遙けし鐘霞む     叡
蘖や輪廻転生不老不死
暁闇や清涼殿へ恋の猫        りえこ
ガザの子へ入学といふ希望あれ
土踏まずあつたあの頃鳥雲に     佳澄
来迎の菩薩祖母似や春の夢
民主主義かくも危い春疾風      洋子
ひこばえや杣人休む切株に
故里は谺とならぬ春の山       欣也
蛍烏賊海の光をトロ箱へ
囀りや木組みの美しき五重塔     茉胡
子の手前美味そうに食ぶ菠薐草

3月通信句会は夏雲システムを利用して実施。主宰のブログ(河津桜・梅)、宮本みさ子さんと稲垣雄二さんのエッセイ「ふるさと歳時記3月」、竹下米花さんの絵手紙(辛夷・鶯)からの連想句4句以上を含め、8句投句。選は特選1句入選7句で行いました。16名参加。

鍬の柄に体を預け初音かな      雄二
赤子抱くぎこちなき父花辛夷     悦子
闇纏ふ修二会の僧とすれちがふ    忠雄
しで辛夷目鼻なくせし石仏      恵美子
忽ちに空に沸きたつ花辛夷      和華子
夜桜やわが来し方とこれからと    美恵子
魞挿すや堅田千軒靄のなか      英二
麗らかや狐の覗くうなぎ筒      りえこ
ふるさとに生かされて今日卒業す   久美
色かへて通勤たのし春ショール    杳平
響動(とよ)もせる宇治大橋や雪解川 初男
届かざる真白き手紙こぶし咲く    淳子
おぼろ夜の奈落へ舌を出すしじみ   みさ子
被爆牛厩出し待たず命果て      佳澄
母を恋ひ子を懐かしみ花辛夷     美那子
吾が余生いよよ佳境に辛夷咲く    茉胡

来月以降も通信句会、対面句会の二本立てで行う予定です。参加希望の方は、氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。 メルアド:mako10himu6@nifty.com

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(zoom句会 11名)

寄居虫や防空壕にある序列     まこ
何となく踏切長き虚子忌かな    忠雄
古の志とや若みどり        久美
とびきりや庭師の残す若緑     洋子
大根を摺りつつ虚子の忌を思ふ   美那子
虚子の忌や遥かな闘志今も尚    まち
虚子の忌や大磐石の動きたる    悦子
泰然と戦見てをる虚子忌かな    りえこ
啓蟄にてんでに騒ぐ神経痛     正子
離れてはすぐに寄り添ふ残る鴨   雄二
遠橋に立つは句友か春の池     淳子

(きだりえこ記)


福岡句会(28日 早良市民センター)

第一句座

春雷や天地の扉啓くごと      久子 
うちの子にせんと仔猫をまる洗ひ  幸子 
約束もいつしか風化して弥生    紀美代 
看病のリズムに少し乗りて春    龍梅 
夕焼けを独り占めして紫木蓮    悠 
たつぷりの黄粉を笑ふ鶯餅     和子 
人知れず咲くもよろしき山桜    真知子

第二句座 席題:木瓜の花、長閑

のどけしや猫の寝相の草書めく   幸子 
何処からか太鼓の音のして長閑   悠 
木瓜の花乙女の裾野ふはふはと   龍梅 
赤きもの手折りてみれば木瓜の花  紀美代 
浜辺歩む砂さらさらと長閑なり   久子 
一日を猫と遊ぶや島のどか     真知子

 (斉藤真知子記)


長崎句会(ネット句会 7名)

当季雑詠

佐賀平野どこもかしこも菜の花よ  瑠衣
新入生呼び名謎解き如きかな    美智子
群れてスーィ金黒白羽に水温む   文
春昼やマンドリン部の古賀メロディー なおよ
裏路地は今闇の中恋の猫      順子
婚約の二人ならびて雛かな     睦美
水温むほらそこ何か動きをる    玲子

題詠句:磯遊、三色菫

 潮満ちて何やら寂し磯遊     美智子
変顔の三色菫なに思案      文
岩の間に光るものあり磯遊    睦美
磯遊び貝と思へば脚が出て    瑠衣
磯遊び父を大きく感じた日    玲子
アスファルト割って色づく三色菫 順子
パンジーやパンダのやうな顔も見え なおよ

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題:春筍、卒業 7句出句5句選

きらきらとマンガ科一期卒業す  若松節子
海原や卒園の子を肩車      佐竹佐介
軽トラに射止めし鹿と蕗の薹   北野沙羅
まだ出でぬ春筍掘れと翁指す   加藤裕子

(加藤裕子記)

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