2021年7月句会報告

第17回YouTube句会(24日、45名)

大谷主宰選
【特選】
美しき背中競はせ泳ぎくる    丹野麻衣子
短冊も飾りも捨てて竹涼し    神谷宣行
杉の葉のばさりと落ちて氷室道  神戸秀子
ふるさとや疲れ忘れて蛍狩り   西貝幸子
後の世もまたこの人と釣忍    前崎都
【入選】
蓮の葉の揺れてぬぬぬと牛蛙   池田祥子
疲れ鵜よ小鮎はごくと胃に落とせ 米山瑠衣
大瑠璃はわたり学僧は入唐す   篠原隆子
海鞘裂いてほれよと呉るる女かな 神戸秀子
蚤虱連れて一茶の破れ笠     大場梅子
山彦の苞に持たせよめはりすし  喜田りえこ
今度いつ人来ることか夏館    臼杵政治
草刈つて暫し仰臥や藤茂る    ももたなおよ
鱧食んで気勢収めよ天神衆    鈴木榮子
賽銭の箱より百足虫あわて出づ  仲田寛子
真穴子や明けの海より引き抜かれ 西川遊歩
七夕や思ひにとどく言葉なく   木下まこと
あの人はカサブランカよ百合じゃない 三輪憲
毎日が曝書でありし適塾は    齋藤嘉子
ゴム長も顔も泥どろ田草とり   米山瑠衣
炎天下ショベルカー来て墓抉る  池田祥子
顔に浜風ひるがほの丘をゆく   長井はるみ
大の字に寝てこの大暑乗りきらん 大平佳余子
涼しさや島に一つの真水井戸   曽根崇
荒梅雨や幽霊もさぞ出にくかろふ 稲垣雄二
荒れ果てて水争ひもなき田んぼ  大場梅子
ほどのよきさぬき団扇の風ならん 木下まこと
(丹野麻衣子 記)


古志Zoom句会


郵便句会

大谷弘至主宰選

特選   
潮風や島のベンチの蟻と吾      加藤久子      
解きはなつ老のうつうつ水中花    小島楓     
畳目は何の夢跡昼寝覚        白石勉   
ふるさとの山のみどりの新茶汲む   上條多恵   
まほらなる大和よ梅雨のありてこそ  西川東久     
立たされの窓から見えて立葵     白石勉   
阿弓流為の大夕立や音羽山      白石勉        

入選  
十薬の匂ひは好きよ畑手入れ     梶原夕未子   
下校の子振舞水に寄り道す      原信子   
蚊の陣へ踏み入り摘むやブルーベリー 北野沙羅     
燃ゆる聖火を部屋より見たる遠き夏  伊達公子   
祷るごと泉の水を掬ひけり      伊達公子   
糸紡ぐ島のをみなへざるの蝦蛄    水谷比嵯代     
レース着てきみの町まで一時間    小島楓      
お日様を丸ごと背負ひ草を引く    神谷和子   
昼寝せぬ幼子ありて手を焼けり    原信子   
咽癒し妻もう寝息夏暁        白石勉   
代々の猫たちも来よ門火焚く     上條多恵   
王城恋ひしせめてもの鱧の皮     田中尚子   
遠河鹿まこと窯出し日和なり     小島楓               
美しき距離日傘かざしてお辞儀して  水谷比嵯代
(斉藤真知子記)


第17回 席題句会(10日、19名)

大谷主宰選
第1句座(席題:百合、冷奴、鵜飼)
【特選】
天彦を呼ぶ蕊高し百合の花    篠原隆子
静けさや弔問の百合開ききる   越智淳子
鵜づかひの指をかませて逸らせる 片山ひろし

【入選】
疲れ鵜の火に急かされてまた潜る 片山ひろし
百合白し亡き子は永遠にわが長子 神戸秀子
はにかんで笹百合一本くれにけり 喜田りえこ
疲れ鵜の籠にをさまるあはれかな 吉田順子
鵜篝も濃尾平野の一灯り     臼杵政治
掘りきしはみめ怪しき百合根かな 上俊一
老鵜一羽いたはられつつ水潜る  越智淳子

第2句座(席題:泳ぎ、梅干、蚋)
【特選】
ばた足や脚の重きを今更に    原京子
ともがらは鮎よ天魚よ泳ぎけり  齋藤嘉子
矍鑠ともうひと泳ぎすると言ふ  金澤道子
歌を詠む象の小川のぶよならん  喜田りえこ
土地の子や蚋を払ふも大人びて  篠原隆子

【入選】
手招いて梅干食つてゆけといふ  丹野麻衣子
泳ぎ果て岩に体をあづけをり   長野いづみ
蚋などはものかは猿田彦が舞ふ  神戸秀子
大太鼓一打一打や泳ぎゆく    篠原隆子
今日からは白線二本水泳帽     臼杵政治
梅干すや天神様を大切に     長野いづみ
まんばうと泳ぎし夢をまた見たり 上俊一
天竜の子のあと泳ぐ都会の子   片山ひろし
(丹野麻衣子記)


埼玉句会(25日、埼玉会館、4名)

もう少し忖度しろとビールつぐ   琅太
誰がためのオリンピックぞ蝉の殻
寅さんはトランクひとつ夜の秋   靖彦
みちのくの一本松の涼しさよ
一病と仲よくくぐる茅輪かな    つねお
ワクチンを打つて浮世の涼しさよ
赤ん坊の握りしめたる蟬の殻    ゆき
少年の宝の箱に蟬の殻
(萬燈ゆき記)


東京Web吟行句会(18-20日、夏雲システム、26名)

吟行地:小石川後楽園(神楽坂界隈)
兼題:短夜、河童忌、ごきぶり
投句:8句
選句:特選1句、入選7句

身に心そはぬ日のあり河童の忌   金澤道子
この坂は風の抜け道合歓の花    わたなべかよ
水馬おのれの影を乗りまはす    上村幸三
助六の下駄からころと梅雨明くる  大場梅子
人間は阿呆のままか河童の忌    関根千方
短夜の氷足しては水枕       神戸秀子
ゴキブリや生きる自由はかくありと 神谷宣行
明易や蓮華しようまの開く時    大平佳余子
花の名に疎き男やサングラス    石塚純子
蟬生まる地中の闇をぬぎながら   吉田順子
短夜や子規に聞こえる水仕事    岩﨑ひとみ
かき回す午後は眠たし扇風機    長井亜紀
河童忌や言葉の重み日々に失せ   菅谷和子
身構へるわれ身構へるごきかぶり  仲田寛子
河童忌や折り紙でおる青蛙     持田明子
江戸風鈴かすれ音こそなほ愛す   園田靖彦
白亜紀の艶くろぐろと御器かぶり  石川桃瑪
職引いてごきぶりのごと嫌はるる  片山ひろし
河童忌や流るる文字を釣り上げん  越智淳子
赤錆のレールの続く河童の忌    長野いづみ
無題てふ涼しき石の眠りをり    葛西美津子
短夜や暁けて北岳間の岳      鈴木伊豆山
河童忌やペットボトルの水かぶる  那珂侑子
炎昼や食事の長きフランス人    原京子
水底へ痩身置きて明け易し     松岡伴子
青空や坂東太郎四股をふむ     服部尚子
(関根千方記)


鎌倉吟行句会(4日、カルチャースペース鎌倉、6名)

吟行地:鏑木清方記念美術館、鶴岡八幡宮源平池あたり

第一句座:吟行句・雑詠句7句出句、5句選
乳鉢に磨る碧玉やさみだるる    美津子
群青や清方がみし夏景色      振昌
君の碾くコーヒー豆の音涼し    琅太
明易や鯉まんまるの口開けて    侑子
二の鳥居三の鳥居も梅雨の中    道子
新婚の十七歳の藍浴衣       はるみ

第二句座:席題「蛞蝓」「サンダル」「豆」で3句出句、3句選
ででむしにあこがれてゐるなめくぢり 侑子
なめくぢり昔は銅(あか)の洗面器  はるみ
青竹をみしりみしりと蛞蝓      振昌
海紅豆反戦デモの遠き日よ      美津子
マスクなしサンダル履きはお断り   道子
なめくぢり一の鳥居をはいのぼる   琅太
(長井はるみ記)


岐阜句会(15日 岐阜市西部福祉会館   6名)

第1句座 兼題(烏の子 捩花 ソーダ水)
烏の子巣より落ちたり戻しやる    上松美智子
ねぢ花のねぢり切つたる先の空    沙羅
ねぢり花子どものひと日長かりし   通江
恋の夢行きつ戻りつ捩花       春日美智子
ソーダ水勉強いやで塾が好き     之子
電線へやつと飛び乗り烏の子     恵美子

第2句座 当季雑詠
曙や玉響の虹かかりたり       上松美智子
揚羽来て夏やせの吾を励まさん    沙羅
大出水泥につかつて救助かな     通江
くちなはの梯子を渡る速さかな    春日美智子
蟻行列水で流して憂さ晴らし     之子
オリンピック見る人もなき遠花火   恵美子
(梅田恵美子)                  


京都句会

 夏雲システムを利用して実施。事前に送った鮎釣の写真数枚からの連想句を含め,8句投句,選は特選1句,入選7句で行いました。

天空に竿のしなりて鮎を釣る     美那子
本堂の裏で経聞く蟻地獄       雄二
鮎釣や心遊ばす竿の先        りえこ
水打つて地球の病手当てせん     美恵子
身ひとつ流れを堰きて鮎を打つ    久美
アルバムの多くは故人余花の雨    英二
鮎落ちていよいよ寂し瀬音かな    忠雄
鮎宿の早き夕餉や草蛍        初男
秋近き一筆書きの通り風       みりん
そそくさと山女を置いて帰りけり   幸子
腕自慢竿の自慢や鮎の宿       茉胡
(氷室茉胡記)                    


奈良句会(27日 ズーム句会 12名)

初蝉の一声響く山河かな       豊
われもまた銀河のしづく草枕     久美
初恋が妻となり今あつぱつぱ     雄二
後祭り京の行く末守らんと      まき
えのころは路の破れを追いかける   正子
句会報パソコン任せ雲の峰      茉胡
夏雲や芭蕉も飲みし山の水      洋子
オリンピアンの心は真白雲の嶺    美那子
夕顔や眉墨薄くひきにけり      りえこ
夕顔や丸帯締めし母美し       みりん
夕顔の咲いて後ろの闇さわぐ     悦子
山峡の底より仰ぐ夏の雲       忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会(メール句会)

万緑のただ中にゐて独りかな     百合子
声出してみて今日よりは雨蛙     美那子
さざ波のごと雲ありて鑑真忌     豊
泰然と鮎が寝そべるかやく飯     美栄子
少女らの指清らかに百合を摘む    みりん
凌霄花もう庭に出ぬひとの家     歌子
ハンカチの汕頭といふ一張羅     みつこ
香水や戦の前の一雫         りえこ
夏空のおおきく広し淀流る      泰子
鉾立つや街早々と夕灯し       陽子
花火待つ背に重たき子のほてり    久美
オリンピックいかに迎へん白団扇   洋子
氷雨とは神の鉄槌かと思ふ      茉胡

席題句会  席題(栗の花・蜜豆・屋根)3句出句、3句選
屋根上に胡坐かきたり大花火     みつこ
藁屋根に湯気たちのぼる梅雨晴間   歌子
アイス食む屋根間に沈む夕日見つ   泰子
ボサノバのけだるき昼を栗の花    久美
抗体の疼きみなぎる栗の花      百合子
花栗やみづみづと青にほひたつ    みりん
蜜豆や一匙ごとに眉さげて      みつこ
みつ豆や死ぬるといふは大仕事    りえこ
蜜豆や四囲の山々あをあをと     豊
しゃべるでも食べるでもなくみつ豆屋 美那子
蜜豆や残り時間はどれくらい     洋子
(木下洋子記)


松山句会(3日 メール句会 13名)

5句出句5句選 兼題:夏の月、尺取虫、夕立、浴衣、月見草、蟻地獄 

あつけらかんと死の話もし夏の月  伊都夫
白浴衣遠き日のわれ遠き野に    崇
一面の鏡ぞあふみ月涼し      まこと
ふるさとの夜もあかるくて月見草  陽市
夕立や一期一会の道祖神      和弘
尺取の尺取る先の荒野かな     まさし
尺取りやワクチンの列つと動く   真樹子
母と子の祭浴衣や手をつなぎ    一美
蟻地獄沖縄戦の末路かな      博山
浴衣着ておしやべり続く喫茶店   薫
愛し子の乳の匂いや月見草     紫春 
境内は子らの遊び場夕立来し    孝子 
つわものの夢のあとには夏の月   夕未子 
風神と雷神の来て夕立かな     まさし 
尺取やおのが余命を計るごと    崇
嘘ひとつふたつみつよつ蟻地獄   陽市
訪問介護月見草が揺れてゐる    伊都夫
部活終え辿る家路や夏の月     孝子 
幼子のじつと見つめる蟻地獄    和弘
夏の月天文台の真上かな      夕未子
啄木のねむる岬や夏の月      真樹子
石狩の浜に終ゆ旅月見草      一美
幼な子の足裏はずみて初浴衣    真樹子 
沖縄の戦や蟻の地獄ごと      博山 
蝦夷の風運びし船や月見草     まこと     
(木下まこと記)


福岡句会(23日 通信句会) 

投げ捨てし闇より戻る金亀子    和子
短夜のナースは母のごと諭し    國光
我が心置き去りにせん夏の海    真知子
十二時と見れば十二時時計草    祥子
魂のふはりとオンザロックかな   桃潤
泉湧く水に呼吸のあるごとく    久子
水鉄砲我慢の限界突き破れ     龍梅
風鈴や風待ち港の軒の下      博人
葉に爪のくいこみし殻遠き蝉    修
初蟬と記す今日の詩はまだ詠めず  幸子
瀬戸内よパセリ刻めばかの地中海  民也
空蝉を脱ぎて自由を得たりけり   充子
草むらへ鼠花火の逃げ込みぬ    緑
(吉冨緑記)


長崎支部(25日 メール句会 8名)

当季雑詠 5句
透けてをり生まれたてなる蜘蛛の子は あや
こんこんと叩けば西瓜の良き返事   順子
掌のツボに程よきゴーヤかな     なおよ   
野菊の庭捨てて転居の忙しなさ    弘美
エアコンや氷山崩壊午後三時     美智子
戦ひの相手いずれや五輪開く     睦美
ラタトゥイユゴッホが歩く夏畑    玲子
蝉しぐれ果つれば大地に還るのみ   瑠衣

題詠2句(鵜飼・冷奴)
冷奴シソやトマトで笑顔描く     あや
旅の夜一人やっこの白さかな     順子
包丁を研いで葱切る冷奴       なおよ
断捨離と懐古の一日冷奴       弘美
肩ぬぎで奴一丁平らげぬ       美智子
夢までも吐き出して燃ゆ鵜飼火よ   睦美
箸握り見入る五輪や冷奴       玲子
孫の布団干して待ちゐる冷奴     瑠衣
(米山瑠衣記) 


熊本句会(通信句会 4名)

彩雲の夜明となりぬなすび漬     佐介
虫干や袖も通さぬタキシード     佐介
はにかみて内縁といふ君の夏     茉莉子
虫干しや執行猶予三年目       茉莉子
山一つ転がる如く阿蘇の雷      裕子
頼られて頼らぬ父やなすび漬     裕子
この国の憲法前文曝書せん      榾火
日当たりを貰つて匂ふ紫蘇畑     榾火
(今村榾火記)

                 

      

              

 

         

     

 

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