2020年7月句会報告


第五回YouTube句会(25日)

当季雑詠 1句座(3句出句 3句選)
https://youtu.be/EHybfcI_Br4

当季雑詠 1句座(3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】
かなぶんよ狭きぼろ家が汝も好きか 臼杵政治
雨上がり仔猫に乗って蚤が来る   百田直代
奥山にけふは蝉捕る氷室守     丹野麻衣子
国生みのはじめのしづく滴れり   木下まこと
死してなほ夜空のごとし蛾の目玉  篠原隆子
羽抜鳥飛べねば歩くまでのこと   神戸秀子

【入選】
ででむしと時間つぶしをはじめから 仲田寛子
はつたいの封も切らずに年経りぬ  矢野京子
香港の闘ふ君へ夏休み       喜田りえこ
擂粉木の疲れも見せずとろろ汁   石川桃瑪
夜濯の鼻唄まじり二人旅      長野いづみ
触角に全力込めて蝸牛       藤倉桂
沖縄の痛みと怒り茘枝裂け     わたなべかよ
どの山の氷室の守よ顔涼し     丹野麻衣子
八月来 母が抱きし赤子われ    上村幸三
土用餅食みてふんばれマスクの世  大平佳余子
雨よりも雨の匂ひす草いきれ    高角みつこ
梅雨出水祠の蛇は木に上り     米山瑠衣
抜けし羽くはへみえ張る羽抜鶏   大平佳余子
蚊遣香子規ゐますかに燻らせて   神戸秀子
草いきれ見ゆるものみな動かざる  矢野京子
大きな荷とく見せばやと蟻は巣へ  那珂侑子
大小よし鱧はやつぱり前の海    原京子
人の居ぬ空の青さよ夏帽子     木下まこと
若冲に描かせてみよアロハシャツ  臼杵政治
田水沸く卑弥呼は祷り真只中    神戸秀子
三尺寝空弁当を枕にし        長井はるみ
夕波をすべる夕波たかむしろ    篠原隆子
(丹野麻衣子記)


第3回YouTube席題句会(7月3日、11名)

第1句座(席題:紙魚・石竹・鮎 3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】
石竹や老いて大きくなりし母   神谷宜行
歌びとの御魂を食ひて紙魚太る  神谷宜行
一冊の古書来るあまた紙魚つれて 丹野麻衣子
【入選】
酒汲まん背越鮎ですこしづつ    丹野麻衣子
鮎の骨上手く抜けずに見合ひ果つ  澤田美那子
はらばひて紙魚の歩みをまじまじと 上俊一
石竹や少し曲りし妻の背ナ     片山ひろし
鮎の宿酔へば河童で盛り上がる   稲垣雄二
細波の淡海の奥も鮎のころ     丹野麻衣子

第2句座(席題:氷室・蚊帳・捩花 3句出句 3句選)
大谷主宰選
【特選】
そつと母が抜け出す蚊帳の寂しさよ 澤田美那子
蚊帳一枚担ぎ近江を立ちし人    鈴木伊豆山
見廻れは濡るるよ氷室守の足    丹野麻衣子
【入選】
捩花や弛みなく巻く血圧計     鈴木伊豆山
ぬばたまの夜風が涼し蚊帳涼し   菅谷和子
捩花老いて愚鈍の恥づかしく    神谷宜行
(丹野麻衣子記)


郵便句会

大谷弘至主宰選
特選
蓮ひらく天女が下りて来たるごと   福井有紀
筆の穂に梅雨たつぷりと旅の詩    西川東久
風涼しじゅじゅじゅと鳴く鳥は何   森康子
青いちぢくの匂ひのどこか痒かりき  水谷比嵯代
生きてゐて自粛の日々のビールかな  坂口和子
にぎやかに滝壺に船ちかづきて    田中尚子
金魚玉終の栖とまだ知らず      関きみ子
わが胸に楸邨の百合りんりんと    北林令子
入選
足の爪切ればこぼるる汗の匂ひ    森康子
はつなつの初物多しわが厨      原信子
今生のきみは年下冷し酒       小島楓
星の山酒代に置く岩魚かな      中西薹子
遠き日の嫌ひな仕事蚊帳たたみ    原信子
紫陽花にでこぼこ道や谷戸深き    土筆のぶ子
お朔日麻のハンカチ下ろしけり    田中尚子
酒蔵や噴井の水を柄杓飲み      神永秀郎
我が憂ひほたるぶくろにとぢこめん  原信子
梅雨ぶくれせし週刊誌理髪店     西川東久
あめんぼう雲の上とは知らざりき   佐藤光枝
出し抜けにあぢさゐ寺へ母の供    北野沙羅
(斉藤真知子記)


古志ZOOM句会


東京Web吟行句会(19-20日、25名)

吟行地:浜離宮恩寵庭園
兼題:朝顔市、田水沸く、蝦蛄

跡取りは東京暮らし田水沸く   金澤道子
太陽と大地が歌ひ田水沸く    上村幸三
蛇の衣脱ぎ捨ててある離宮かな  菅谷和子
田水沸きものの命の醸さるる   松岡伴子
朝顔市また東京が好きになる   岩﨑ひとみ
一輪の句集ひらけば風涼し    神谷宣行
うすごろも将棋の神に愛されて  わたなべかよ
刃を入れて海鞘の香りを打ち開く 片山ひろし
夏萩や一人吟行迎へくれ     原京子
ふつふつと怒りの大地田水沸く  大場梅子
時といふ渦を背負うて蝸牛    関根千方
夏羽織十七歳の棋聖かな     吉田順子
風鈴や大和八島は虫の息     園田靖彦
天仰ぐ田水湧くべき田も失せて  仲田寛子
滴りて大河なるごと我が句あれ  長野いづみ
父たまに母の手伝ひ蝦蛄をむく  那珂侑子
あぢさゐや水の中なる摩天楼   大平佳余子
身の透きて子持蝦蛄たる隠れなき 神戸秀子
涼み亭沓脱石を蟹歩く      飛岡光枝
人ひとり見えぬ昼鄙田水沸く   越智淳子
怪獣になりそこねたる蝦蛄を茹づ 石川桃瑪
手早さも味の内なり夏料理    三田菊江
潜り行き川鵜が次に浮くところ  鈴木伊豆山
日生港籠をはみ出す蝦蛄の足   服部尚子
マスクして上座下座の夏座敷   持田明子
(関根千方記)


埼玉句会(16日 埼玉会館)

感染拡大のとどまらない現在ですが、部屋の換気と入念な手指消毒のもと対面での句会を実施しました。

ウイルスに無力のわれら蝉の殻   琅太
空蝉や非日常が日常に        〃
新入りは愛嬌者ぞ金魚玉 靖彦
潮の香の甘くべたつく草田男忌    〃
病む星へ億万年の夏祓       邦紀
向日葵の顔耀きてこちら向く     〃
抗へど血は伝わりぬ瓜の花     ゆき
長生きは野暮のひとつぞ今朝の秋   〃
(萬燈ゆき記)


鎌倉吟行句会(5日、6名、鶴岡八幡宮)

<第一句座>吟行句十句投句五句選
ねんごろに手を洗ひをる我鬼忌かな 琅太
蓮の白蓮のくれなゐひと日雨    美津子   
雨音のうれしさうなり蓮の花    道子
水滴のまろびてあそぶ大蓮     はるみ
凡そ天下にかなふ白なき蓮かな   振昌
しろがねの雨つぶ蓮の浮葉かな   侑子

<第二句座>席題(蝙蝠、夏帽子、青田)三句投句三句選
先生の笛に集まる夏帽子      侑子
人間の闇に生まれし蝙蝠か     美津子
蝙蝠や湯屋もくもくと煙出し    振昌
最上川舟唄ひびく青田かな     道子
両の手は膝に揃へて夏帽子     はるみ
夜の街を生業として蚊喰鳥     琅太
(那珂侑子記)


愛知吟行句会(10日 名古屋市熱田神宮)

2月3日以来の吟行句会なので、まず熱田の神にこれからの吟行の無事を祈念。早速雨も小ぶりとなり、常緑樹の緑の下、のんびりと吟行。楠の大木に圧倒される。清め茶屋にて、きしめんで腹ごしらえをして、熱田図書館で句会。

梅雨きのこ神鶏烏雨やどり     恵美子
百日紅高齢者とは言はせぬぞ    尾燈子
冷きしめん啜うてをれば初蝉が   楓
汗ひいてゆく千年の御神木     正博
楊貴妃の肌となりたし清水汲む   雄二
(稲垣雄二記)


岐阜句会(30日 岐阜市西部福祉会館 5名) 

 第1句座 席題(草いきれ 雲の峰 蜘蛛)
 今年また土手を刈り往く草いきれ  誠一
 雲の峰今日の登りは独標ぞ     上松美智子
 草いきれかぼそき猫の声ふいに   春日美智子
 筒鳥の声はまつすぐ雲の峰     之子
 待ちながらまどろむことも女郎蜘蛛 恵美子

 第2句座 当季雑詠
 漆黒の樹海の上の夏の月      誠一
 堤防の草が住処やきりぎりす    上松美智子
 雲の峰対峙してゐるご神木     春日美智子
 留守番の犬は何処へ雷の後     之子
 青胡桃尖りて苦き日のはるか    恵美子
(梅田恵美子記)                           


奈良句会(10日 11名 リモート句会)

太陽の曲線もてりミニトマト     豊
和毛まだつのに残れる鹿の子かな   りえこ
数へみる恩師の齢夏見舞       美那子
晩学も時には蓮の浮葉かな      まき
炎天の赤信号とにらみあふ      瑳楓
身の程のルームメイトや古金魚    正子
虹色の蜥蜴が走る斎庭かな      洋子
戻りたくなき現世や昼寝覚      茉胡
三尺寝北山杉を横たへて       久美
昼寝してただならぬ世に戻りけり   悦子
音きえて時間もきえて熱帯魚     忠雄
(上田忠雄記)


大阪句会(ネット句会 15名)

集まっての句会が難しいので、安藤久美さんにお世話いただき、ネットで句会をしました。

鯛の背の青き星々梅雨の市     歌子
畳むには惜しき白扇師の一句    まき
この国の黴拭へども拭へども    みつこ
御所にまだ知らぬ道あり青水無月  茉胡
花火とは夜空のため息かと思ふ   みりん
ごつごつの棘もうれしや初胡瓜   豊
沖縄忌海は大きな涙壺       陽子
夏至すぎの公園明るし幼多し    泰子
はるかなる旅してきたり雲母虫   久美
鵜は見たりコロナ疲れの人の顔   瑳楓
見送りぬ夏痩せのこと口にせず   美那子   
 梅雨寒や人を隔てて人を恋ひ    百合子      
ひと夏を泳ぎきつたる水着かな   りえこ  
千一夜ページに残る紙魚の骸    可奈 
守りたき自由の国や雲の峰     洋子
(木下洋子記)           


松山句会(24日 メール句会 9名)

兼題:白鷺、、青簾、玉虫、風死す、土用蜆
5句出句 4句選
もてなしのこころ絶やさず伊予簾  梅子
白鷺のはや立つ雨後の濁流に    一美
人もまたふるくなりゆく青すだれ  陽市
不養生責められ土用蜆かな     まこと
方丈と蕪村の話青簾        崇
青簾木戸より出入り祖母の家    孝子
白鷺が居てこそしづか隠岐のあめ  陽市
青簾張り巡らすや道後の湯     典子
闇深く玉虫何を告げに来し     喜久子
平凡な暮らしよきかな青簾     紫春
風死すやコロナ蔓延恐れけり    典子 
風死すや上り框に犬のあご     まこと 
白鷺にふたつぶみつぶやがて雨   崇  
一汁をあふるる土用蜆かな     紫春
(木下まこと記)


福岡句会(通信句会 8名)

いづこより扇の風や水馬       和子
あばれ梅雨筑紫次郎が眼を覚ます   博人
滴りの隧道を抜け肥後の国      国光
梅雨空の奥開く鍵有らまほし     久子
寝返りをして花茣蓙の香をたたす   祥子
巌から突き落とされし初泳ぎ     桃潤
眠れない人と眠らぬ守宮の子     緑                
向き合ふて黙す夕餉や冷奴      真知子
(斉藤真知子記)       


長崎句会(29日)

当季雑詠 持ち寄り5句
群燕土砂降りの中息荒し       弘美
初乗りの跳ねる四駆や雲の峰     まり子
麦茶飲み決めの一手や棋聖戦     直代
雲走るもつてけ荒梅雨ガレキとも   あや
留守中を守つてましたと守宮かな   綾子
羽抜鶏五羽の子育て手抜なし     瑠衣

題詠2句(雷・胡瓜)
はたた神転び蹴破れ厚き雲      弘美
定番はワカメ胡瓜の酢物かな     まり子
落雷や鏡に潜む鬼女ひとり      直代
パソコンを切りに走るや霹靂神    順子
蛸胡瓜白寿の母食む大安日      あや
遠雷や身構へて待つ心細さ      綾子
雷の子や足踏み外す雲の上      瑠衣
(米山瑠衣記)                 


熊本句会(18日 国際交流会館)

第一句座 兼題(旱)
止みましたねと声掛け合ふて墓参かな 裕子
陸亀の伸ばす皺頸旱空        戌彦
流さるる街に蜻蛉の生れにけり    茉莉子
大旱の空を見てゐる外野の子     榾火

第二句座 席題(冷奴、舟虫)
段取りも今日はこれまで冷奴     裕子
舟虫の犇き合へる静寂かな      戌彦
舟虫のななめに走り海にでず     榾火
(今村榾火記)                      


熊本あふちの会(22日 3名)

第一句座(当季雑詠)
月見草かつて国鉄転車場       節子
雨上がり急ぎ行く道蝉時雨      和子
源氏はや夢浮橋梅雨の果       佳代子

第二句座(兼題 梅雨明け、日日草、ペットボトル)
ペットボトル氷らせ芝の外野席    節子
梅雨明けのグランド高く飛ぶライナー 和子
日日草こぼれては咲き息災に     佳代子
(三城佳代子記)      


大分句会

オンといふスイッチ入れて飛び込みぬ 裕子
孤独なる若者夜の街泳ぐ
背泳が好きと言ふ友伏せてをり
風鈴のひとり遊びし風任せ      広美
美しく老いたし余生夏に入る
なんとなく今が幸せ夏帽子
海亀の子太平洋の初泳ぎ       桃潤
草矢うつ山路は遊び無尽蔵
出水来て家が流れたと笑顔
(山本桃潤記)

           

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