12月の奈良句会ご案内
日時:12月9日(土) 13時30分~16時30分
会場:奈良県文化会館 2F E集会室
句座 第1句座 当季詠 7句出句、5句選句
第2句座 席題詠 3句出句、3句選句
11月奈良正倉院展句会報告(12日、東大寺ミュージアム、23名)
長谷川櫂先生の選 (◎特選)
第一句座
竹一本伐りてすさびの笛とせん 久美
◎陰陽の太刀相寄りて時雨けり 忠雄
神であり獣でもあり鹿の声 史生
神仏の次なる妻ぞ菊買はん) 勝之進
◎水洟や今年阿修羅は仮の宿 りえこ
天平の笛のドレミの音冴ゆる 悦子
犀角の盃を充たさむ冬銀河 茉胡
竪琴奏づ長き夜の二人かな 豊
月の夜は妃に吹きたらむ玉の笛 美那子
◎この盃の秋より深き瑠璃の色 忠雄
◎崑崙の玉にそそぐや秋の水 りえこ
底冷えの腹にうれしき奈良茶粥 英樹
◎写経の墨の黒々と今朝の冬 豊
瑠璃盃はレタスの一葉奈良の冬 雄二
錦秋の中や若葉のごとき盃 忠雄
枯れてゆくものの一つに鹿の角 嘉子
◎悩み多き少年阿修羅さやけしや まき
粧ひてかしこみかしこみ三笠山 勇
つきぬけて迦楼羅の鼻を秋の風 勇
まんだらの宇宙に差せる冬日かな 英樹
人生は次第にうまき大根かな 勝之進
◎露けしや奈良に畏き大扉 久美
弾棋のしのぎ削りし夜長かな 豊
◎瑠璃の盃朴の落葉のごときもの 忠雄
伎楽面顔まつかつか古酒新酒 桃瑪
◎凍蝶のすなはち凍てて石の上 英樹
月光像雪の光をまとひけり 通江
ほどきたる緋綾の紐や奈良は秋 久美
熊鷹の目の威の褪せぬ屏風かな 正子
天平の光の中を冬に入る 瑳楓
八角鏡裏はさながら冬銀河 桃瑪
水晶のわずかに濁る今朝の冬 弘子
緑青も茜もさびて冬に入る りえこ
角伐つて雄鹿の冬の深みゆく 英樹
澄む秋のここに極まり瑠璃の盃 忠雄
第二句座
◎おでん食ひながらでよろし話せん 瑳楓
具を足して汁を足してはおでんかな 嘉子
夫はすぐ飽きし銀杏拾ひかな 茉胡
◎大鍋に三日はつづくおでんかな 真知子
◎定年後の楽しみ一つ障子貼る 正子
おでんより銀杏玉のごとく出で 忠雄
まめな父大まかな母障子貼る 弘子
◎我先に煮詰まりてゆくおでんかな 史生
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