2026年6月句会報告

ZOOM句会


深川句会(10日/21名)

大谷主宰 選

第一句座

【特選】

登校のたび踊り場の目高見て     神戸秀子
長さより細さ胸つく蛇去りぬ     越智淳子
梅雨入やゆたかに温き母の乳     神谷宣行
あぢさいや雨が光にかはる瞬     谷村和華子
お蚕の代を一夜に夏祭        臼杵政治
沖膾叩き唐津の松を皿        丹野麻衣子
大仏は我より若し青時雨       越智淳子
豆飯の湯気にふくれて曲げわつぱ   神谷宣行
たくましき裸ほめられ戦場へ     城田容子
よろこびが先頭をゆくなつつばめ   三玉一郎
海鞘匂ふこの古里が嫌ひなり     藤英樹

【入選】

祖父の家五右衛門風呂の風涼し    藤英樹
橋架けて橋流されて牛蛙       丹野麻衣子
夏うぐひす火急火急と朝より     神戸秀子
歩き果つこの夕焼をほしいまま    木下風民
旅の傘明るくひらく梅雨入かな    西川遊歩
包帯が捻挫を見舞ふ青葉かな     仲田寛子
かきつばた蕾きりりと筆のごと    城田容子
引越のその夜の客や金亀虫      神谷宣行
ジーンズのつなぎ似合ふ子袋掛    大平佳余子
あの夏や中折れ帽の父の黙      谷村和華子
心にも香水ひとつきらめかせ     城田容子
戦争は色をも奪ふ六月来       長野いづみ
無月とて月を吐き出す蟇       園田靖彦
海鞘食うて酒席たちまち乱れけり   藤英樹
脱ぎ捨てし服は輪となる熱帯夜    木下風民
飲む人の無くて梅酒の琥珀色     金澤道子
さびしくて金魚は今や鮒の顔     城田容子
時鳥まだ「てつぺん」をくりかへし  越智淳子

第二句座 席題(ボート、雨蛙、虹 )

【特選】

まだ白きこころのままでボート漕ぐ  三玉一郎
雨粒にうたれうつとり雨蛙      菅谷和子
ときめきもかき分けスワンボート漕ぐ 谷村和華子
これほどに近き水面やボート漕ぐ   越智淳子
雨蛙葉を踏み外してもへいきへいき  神戸秀子
青春のボートくるくる進まざる    城田容子
ふるさとのボート遊びの池は消え   仲田寛子

【入選】

雨蛙お前も降り込められゐるか    金澤道子
虹の根に行きつく術をまだ知らず   金澤道子
勢ひよく舵なき恋のボート発つ    西川遊歩
高千穂の手ごはき波にボート漕ぎ   仲田寛子

(丹野麻衣子記)


東京ウェブ吟行句会(6月21日~24日、夏雲システム、18名)

吟行地: 旧古河庭園周辺
兼題 : 袋掛・雷鳥・マンゴー

年々にちぢむ背丈よ袋掛       金澤道子
雷鳥の保護にささげし一世かな    大場梅子
袋掛け修道院に良きワイン      臼杵政治
街を捨て山に拾はれ袋掛       関根千方
ほほゑみの国のマンゴーたなごころ  神戸秀子
マンゴーを掌にゴーギャンの女たち  神谷宣行
雷鳥が呼びたる雲か尾根をくる    上村幸三
頂きに立つ雷鳥の雄姿なり      谷村和華子
甲斐駒の残雪眩し袋掛        藤英樹
双頭の館の統べる薔薇の苑      大平佳余子
津軽富士光包まん袋掛け       長野いづみ
園児らの名あり絵もあり袋掛     原京子
岩木山見て腰伸ばす袋掛       片山ひろし
咲き満ちて薔薇の館と申すべく    菅谷和子
マンゴープリン一年生の目の丸く   松岡伴子
兼題のマンゴー一つ買ひにけり    那珂侑子
雷鳥と目が合ひ山を下りられず    岡村美佐子
マンゴーは自分の味を知らぬなり   岩﨑ひとみ

(大場梅子記)


鎌倉吟行句会 (7日 鎌倉大仏 11名)

第一句座  (7句出5句選)
半眼に海を宿して夏の朝     良子
あぢさゐの雨の句会も良かりけり 政治
江ノ電はあぢさゐの露はじきつつ 桃瑪
看板の古りし刃物屋花あやめ   大志
六月やどの山門も深みどり    健
晶子の字水のごとしや半夏生   美津子
さながらに水の地球や青あぢさゐ 英樹
四方から大仏様へ夏の雨     益美
大仏の胎内という涼しさよ    道子
香煙はたゆたひ落つる青時雨   淳子
珊瑚樹や六月の風戦がせて    和華子

第二句座  (裸足/夏薊  3句出3句選)
雨が降る前に帰ろう夏薊     益美
ちよつと不良だつた青春夏あざみ 美津子
焼岳に上る噴煙夏あざみ     道子
幼児の裸足の一歩ゆるき波    淳子
石舞台歩いてみたき跣かな    英樹
おずおずと波打際へ跣の子    健
裸にて濁世の淵を泳がんと    桃瑪
夏薊雨足白き峠かな       大志
夏薊ふと体温のありさうな    良子
牧水の止まらぬ脛に夏薊     政治
月の道白くつづくや夏あざみ   和華子

 (谷村和華子記)



岐阜句会(25日 岐阜市西部福祉会館)

第1句座 兼題:茄子、夏蝶、雲の峰

つやつやと紫豊か茄子をもぐ    上松美智子
水はじく井戸端の茄子海の色    春日美智子
夏蝶の水のむ木かげにはたずみ   恵美子

第2句座 当季雑詠

越前の空を映して青田かな     上松美智子
ささやかな夕餉の中へ薮蚊かな   春日美智子
こぼしたる香水の香やいつまでも  恵美子

(梅田恵美子記)


京都句会

古志京都句会6月は、予定どおり通信句会と対面句会を実施しました。
 
対面句会は、いつもの第3水曜日の17日に実施しました。結果は次のとおりです。 
第1句座 当季雑詠6句出句6句選句(うち1句特選)
第2句座 席題:氷菓、消しゴム、金魚、AI、茅の輪 5句出句5句選句(うち1句特選)。
参加者7名。田中ゆみ子さんが体験参加で、後日古志に入会されました。

梔子の白移ろひて一夜なる     りえこ
サムライが茅の輪へ決めるシュートかな
まくなぎも信者の一人修験道    佳澄
蘭鋳や美人はみんなぽつちやりで
蜘蛛の子やそれぞれの道走り出す  洋子
停戦を危ぶみながら氷菓かな
溽暑なり虚空打つ点滴の音     叡
沙羅の花なぜ永訣の朝なのか
石清水アルミコップのでこぼこに  欣也
消しゴムに汗の答案破れけり
サーカスは遠き町へと梅雨晴間   ゆみ子
尾も鯱も透明となる金魚の死
哲学の道の相聞歌碑涼し      茉胡
消しゴムの欲しき失態溽暑なる

7月は17日(金)に恒例の祇園会句会(櫂先生指導)がありますので、定例の対面句会はありません。10月も2日(金)に主宰指導の句会(御所等吟行)がありますので、対面句会はありません。これらの句会に参加希望の方は、茉胡までご連絡下さい。

6月通信句会は夏雲システムを利用して実施。
主宰のブログ(ホラー、納涼)、齋藤嘉子さんと茉胡のエッセイ「ふるさと歳時記6月」、藤岡美恵子さんのエッセイ(捩花)、竹下米花さんの絵手紙(白南風)からの連想句4句以上を含め8句投句。選は特選1句入選7句で行いました。14名参加。

はりつけの蛸の乾びる大南風    恵美子
水無月の水田明かりが戸口まで   久美
顔の無きAI俳人心太       忠雄
捩花の螺旋は蟻の滑り台      美那子
女梅雨躓くなかれいけづ石     りえこ
伸び代は無限大なりなめくじり   佳澄
白南風や帆柱空に屹立す      和華子
捩花のねぢれのごとき我が世かな  杳平
蛍や蹠の闇は底無しに       淳子
野馬追や神旗を奪ふ女武者     みさ子
白南風少年の脚のびやかに     悦子
「折々のうた」二十八年囀れり   初男
生れてはや大冒険家子蟷螂     美恵子
AIに句評聞きたる梅雨籠     茉胡

来月以降も、原則として通信句会、対面句会の二本立て(7月、10月は対面句会無し)で行う予定です。参加希望の方は、氷室茉胡宛の次のメールアドレス、あるいは古志誌上に掲載の電話でご連絡下さい。  メルアド:mako10himu6@nifty.com                    

(氷室茉胡記)


奈良まほろば句会(23日 zoom句会 12名)

ヘディングの飛び散る汗の誇りかな  まち
栗の花土蔵の窓に達しけり      正子
金魚すくひなにも持たずに見てゐる子 美那子
毎朝のバナナよ年金暮らしなる    まこ
黒潮を越え特売のバナナかな     雄二
熊罠につるされてゐるバナナかな   忠雄
汗の子の走りまはりて芳しや     久美
応援の汗ぽたぽたの甲子園      洋子
ヘッディングの少年汗をしぶきけり  淳子
すりつぶすバナナの甘き母の朝    ゆみ子
戦場の若者流す玉の汗        悦子
土用太郎迎へてまづは路地へ水    りえこ

(きだりえこ記)


長崎句会

第一句座(当季雑詠)

曲がりしも棘も問はずや胡瓜揉    玲子
時の日や亀の時間と人の時間     まり子
竹やぶの奥より届く青葉風      瑠衣
怪獣を三人手懐け汗の母       順子
梅雨に入る声なき口元「また来てね」 文
白絣若き日の父大笑せり       弘美
降り籠める紫陽花の葉の潔し     美智子 
九十の母瞬間を生きて夏       睦美
夏帯を解いてしばらく風の中     なおよ

第二句座 席題:南天の花、雷

戦ひも遠雷も山のむかふなり     睦美
退院日南天の花咲きこぼる      文
竹やぶの近道暗し南天の花      瑠衣
雷や主をも忘れて奔るポチ      順子
雷や深夜ラジオは掻き消され     玲子 
南天の花蕾む米粒の如        美智子
神鳴りに祈る恵の雨となれ      なおよ
南天の花懐かしや故郷の門      弘美
雷やカーテンの隙間から覗き     まり子

(ももたなおよ記)


熊本句会(15日 通信句会 4名)

兼題:翡翠、昼寝 7句出句5句選

翡翠の一閃いつせいに連写     若松節子
昼寝覚水の底より浮かみ出で    佐竹佐介
草刈機と並び園丁三尺寝      北野沙羅
水音の奥へ奥へと翡翠かな     加藤裕子

(加藤裕子記)

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